明神橋 (西会津町)   2004.10           [TOP]  [寄り道]  [橋梁Web]

 

阿賀川に架かる、現明神橋の北岸。

この西側に旧橋への入り口がある。

奥に見える藪道がそれである。

 

 

 

 

現橋は昭和46年10月竣功のアーチ橋である。

旧橋はどのような姿をしていたのだろうか。

 

 

 

 

 

                     

なぜか旧橋への道は草が刈られていて

進入が容易になっている。

右に見える荒々しい垂直の崖は、

旧橋が造られた頃の旧道の法面であろう。

 

 

 

 

広い幅員の旧道を進む。

路面は起伏が激しく、路肩も崩れていて、

車での進入はためらわれる。

一部、沢になっている箇所もあった。

 

すぐに「それ」は現れる。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  ・・・・しばらくの間見惚れていた。

  旧橋は吊り橋であった。コンクリート製の支柱がそびえ立ち、アンカーまで太いワイヤーが延びている。

  この橋の設計者は、廃された後にこのような光景になることを計算していたのではないか。

  そんな、あり得ないことを思わせる「絵」になる風景がそこにあった。

 

天に向ってそびえ立つ支柱。

蔓が絡みつき、自然と一体化しつつある。

 

 

 

 

 

 

 

 

アンカーはなんと石積みだった。

こんなのは初めて見る。

隙間にはコンクリが充填されているが、

これは後からの補強だと思われる。

 

 

 

 

なぜなら奥側のアンカーには

コンクリの充填が見られないのだ。

この石積みは表面だけの化粧石なのだろうか。

詳細が知りたくなった。

なんとも味わい深い橋である。

 

 

 

対岸に延びるワイヤーは一本だけ残存。

かつて橋桁を支えていたであろう細いワイヤーが

均等な間隔で下がっている。

ん?一本だけピンと張ったワイヤーがあるな。

(手前から二番目)

 

 

 

見通しの良い場所に移動して、枝の間から覗き見る。

橋桁の残骸が一本だけ残ってた。

しかもあれは、どうみても木製だ。

旧明神橋は自動車の通行は可能だったのだろうか?

 

 

 

 

 

 

現橋上から旧橋を見下ろす。

橋桁の残骸は二本あるようだ。

風に揺られ、ゆっくり回転している。

 

 

 

 

 

川岸に太いワイヤーが横たわっている。

切れてしまったもう片方のワイヤーだ。

よく見ると、橋桁の残骸も散乱している

いつ頃まで残っていたのだろうか。

航空写真には写っているのが確認できた。

 

 

 

現役だった頃に思いを馳せる・・・。

「渡ってみたかった」 とは

もう絶対に渡れないからこそ言える。

実際は怖くて渡れそうにないな。

 

 

 

 

恒例の新旧揃い踏み。

今回はちと判り辛かったかな。

 

 

 

   

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