東山発電所 (会津若松市)   2007.07        [TOP]  [寄り道]  [発電所]

 

戸の口堰の3発電所に先立ち、会津電力が最初に完成させたのが、この東山発電所である。
それは会津若松に灯った最初の電気の光であった。

 

「会津の奥座敷」と称される東山温泉。

明治6年(1873)創業の老舗旅館「向瀧」の前に架かる東橋を渡る。

今あるのはジープで木橋を壊してしまった進駐軍が

コンクリートで架け直したものとのこと。

右に見える建物が向瀧で、平成8年(1996)に

国の有形登録文化財になっている。

 

階段状の「二階滝」が訛って「向滝」になった、とか、

向かい合わせの滝があった、などの説があるが、

現在、滝にはその段差を利用した取水堰が設置されている。

これが東山発電所の取水門である。

 

 

 

              

向瀧の前を通って水門の裏側に回る。

小さな石積みの水門が岩を利用して設置されていた。

かなり風化が進んでいる様子だが、建設当時のものだろうか。

 

 

 

 

 

さらにその奥に、もう一つ堰堤と水門がある。

サイフォン式のような形状に見える。

 

どうしてこんな二重構造になったのだろうか?

調整池に仕立て上げたのだろうか。

 

 

 

水門の脇には水神が祀られてあった。

詳細は不明。

年代とか寄進者を確認すべきであったな・・・。

 

同じ会津電力が建設した戸の口堰第一発電所の

水槽付近にも水神碑があったな。

 

 

暗く狭い管理道を5分ほど歩くと発電所の上部に出る。

これはサージタンクであろうか。

右下に水圧鉄管が見える。

 

 

 

 

見下ろせば発電所の建屋が見える。

 

横には階段があるが、あそこまで歩いて下るのか。

で、また登るのか・・・。

 

 

 

 

鉄管に沿って設置された九十九折れの急な階段を下りて行く。

パイプを支える土台にはナンバーが振ってあった。

 

 

 

 

 

 

 

 

湯川に木製の吊り橋が架かっている。

主塔までも木製だ。

これはこれで渡るのが楽しみ。

 

 

 

 

 

 

 

「一度に10人まで」という制限の付いた吊り橋上で振り返る。

揺れがなかなか収まらず、撮影には苦労した。

これが会津電力により明治35年(1902)に建設された、

会津地方二番目の発電所・東山発電所である。

完成当時の写真を見ると水圧鉄管は2本見えるが、

現在は1本しかない。

(会津地方最初の発電所は喜多方水電の北山発電所M34)

 

橋の袂にある説明版は非常に詳細であった。

当初の建屋は大正15年(1926)、漏電よる火災で失われ、

現在あるのは再建されたものだという。

確かに現在の建屋は大正時代の意匠が感じられる。

 

 

 

 

当初はこちら側からの進入を試みたのだが、

どうしても入り口が判らずに断念した経緯がある。

もし、こちらから接近できていたら、

サージタンクまでは登らなかったかも知れないな(苦笑)

 

 

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