岩作高架水槽 (須賀川市)   2007.06        [TOP]  [寄り道]  [土木遺産]

 

須賀川市岩作(いわさく)のどの辺りにあるのか。

どんな形状のものなのか。

何も判らないままウロウロしていると、

ほどなく、やけに目立つ建造物を見つける。

なるほど、「高架」である。

 

 

銀色に輝く丸いタンク。

 

これが近代土木遺産Cランクに選定の

岩作高架水槽である。

形式は鋼立体トラス(鋼水槽)とのこと。

 

 

 

 

              

須賀川市道・稲荷町一里坦線に面した正門。

「須賀川市上水道 高架水槽」との銘板がある。

須賀川市で最初の上水道施設であった。

除草はされているようだが、既に現役は退いている模様。

 

 

 

 

中には入れないので、周囲を散策。

こういう形の消火栓って、最近見なくなったよなあ。

こちらはまだ現役のようである。

 

 

 

 

 

 

 

水量調整弁だろうか。

本体に「マエザワ」の文字が見える。

どうやら前澤工業の製品らしい。

 

 

 

 

 

 

 

水槽は上部と下部が球形になっているが、

多数の鉄板を鋲で繋いで形成されている。

 

高さ23m、水槽の容量は250立方メートルとのこと。

 

 

 

 

トラス形式の支柱。

中央には3本の水管が見える。

細いハシゴが水槽まで続いている。

 

下に見える銘板を拡大してみよう。

 

 

 

「昭和十年 東京月島 安藤鉄工所製」とある。

かつては鉄橋や潜水艦なども製作しており、

現在でも海上自衛隊と関連があるようだ。

右には「補強工事 昭和54年 福島市 協三工業」とある。

「協三工業」は鉄道関連でお馴染みの会社であるが、

こんな所で見かけるとは思わなかった。

 

 

市道から脇道に入り、裏側から見る。

こちらにはコンクリートの階段が設置されていた。

手前の空き地には管理人宿舎でもあったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

 

この付近は市内を見下ろす高台になっており、

水道施設を設置するのに適した場所らしい。

現役の巨大な上水用タンクが遠方に見えた。

 

 

 

 


史跡・須賀川の一里塚付近から見た高架水槽。

完成当時は周囲に高い建物などなかったであろうから、

どこからでもよく目立ち、良いランドマークになったであろう。

 

戦前は付近の小学生が遠足で訪れることもあったと言う。

 

 

 

中途ハンパな夕景。

てか、ただのシルエットだな。

 

 

 

 

昭和9年 1934   起工
昭和10年 1935   完成
昭和11年 1936   通水
平成17年 2005   2/16にて使用停止
      「福島県の近代化遺産」より

 

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