旧国道118号線・蝉峠 序 (天栄村〜下郷町) 2007.04 [TOP] [寄り道] [廃道Web]
福島県の中通りと会津を結ぶ車道はいくつかあるが、国道118号線は最も南に位置している。
最大の難所は鳳坂峠で、峠前後に存在する旧廃道のレポは既に紹介した。
さらに西側へ下った山間部にも多くの旧道が存在しており、Web上にてもその現状を見ることができる。
ここ、蝉トンネルの南側にも鶴沼川に沿った旧道があり、相互リンク先の「ROADweb」さんや「dark的道部屋」さんで紹介されている。
昭和62年(1987)に蝉トンネルが開通するまでは現役の県道で、非常に狭いものの舗装されており、勾配も緩やかだ。
そんなある日、古書店で昭和28年(1953)発行の1/50000「田島」の地形図を購入した。
R121の旧道や会津三方道路の資料にする為だった。
その地図にはこの蝉トンネル付近も含まれていたので、何気なくトンネル開通前の旧道を探してみた。
・・・あれ?無い・・・・旧県道が無い! 川沿いの旧県道が描かれてない!
なんとS28当時の県道は川の南岸を通っていたのだった!!
ちなみに江戸時代のルートは蝉山と岩山の鞍部を通っており、いかにも「峠越え」を思わせる深い山道であった。
現在は高架線の管理道路になっているようで、自転車での走破レポも見られる。
当時の蝉峠は白河藩領と天領・南山御蔵入の境界という重要な峠であり、
「会津の峠」でも蝉峠に触れられていたが、「新版」になってその名は消えている。
う〜む、知りたくなかった。知らなければよかった。
いまいち、この探索には気が乗らない。
なぜなら・・・・旧県道の通る川の南岸は、こんな急峻な地形なのである。
この急斜面のどこに県道があったと言うのだ。
目を凝らしても全く痕跡が見られない。
そして現場へは、いったいどこから接近すればよいのだ・・・。
その残雪により、旧旧道の線形がくっきり浮かび上がる事を
期待したのだが全く当てが外れた。
その時の旧県道の様子がこれ。
<旧県道>
一ヶ月後、雪が消えるのを待って再訪。
旧旧県道東端の空き地から山に入る。
この斜面を2〜3m登ると、あっさり道床発見!
深い切り通しに至る。核心に近付く発見かと思われたが、
これは二岐温泉、あるいは旧蝉峠に向かう古道であった。
またしても失敗。
このネタは、このまま封印されることになった・・・・。