国道49号線旧道・小出峠3 (西会津町) 2004.10 [TOP] [寄り道] [廃道Web]
<端村2> [参考図]
それにしても、この藪は性根が悪い。
茎にある細かい棘が手に当たって痛いし、
服への種子の付着もパンパじゃない。
槍状のもの、円錐形のもの、二股のもの・・・。
とにかく不快だ。
眼下に人口建造物が見えてくる。
景勝地「銚子の口」にある東屋だ。
阿賀野川の川幅が狭くなっている地点で、
ここだけが激流になっているのだ。
江戸期の舟運では、ここで荷を陸揚げ
せざるを得なかった難所であった。
剥き出しの岩肌。
何の補強もされていない路肩。
ワイルドな明治の道だ。
そこに赤いペンキで描かれた「1」の文字。
どんな意味があるのだろうか。
路肩に生えているのはレールである。
先端には穴が開けられ、そこにリングが付いている。
保線用の何かであろう。
体を固定して、ここから線路に降りるのかな?
磐越西線がすぐ下に見える。
その向こうには阿賀野川の渓谷。
ここは列車撮影の定番らしく、
Web上でも見かけることができた。
鉄ちゃん、恐るべし。
相変わらず性悪な藪の中を進む。
イライラしてきた。
廃枕木を再利用したようだ。
どうやら保線用の通路として、
最低限の管理はされている様子。
廃された理由の一つである
「雪崩の危険性が高い」が実感される。
電線の鉄塔の管理道として現在でも
利用しているようだ。
たった数年で廃止されるとは・・・。
強制徴用された地元民の嘆きが聞こえるようだ。
左に見えるのは、落石防止ネットだろうか。
しかし、このネットが守っているのは、
この道ではなく、下にある線路であろう。
道路の真中に生えた樹木の太さが、
廃されてからの年月を物語る。
比例するように、なぜか藪も濃くなる。
また路肩にレールが生えている。
コンクリート製の法面に沿って進む。
既に藪が胸の高さにまで達してきた。
不快度が増す・・・・・・・。
ここでキレた。
もう我慢も限界だ。ボク帰る!
小出峠への分岐まで、あと2km地点だ。
なに?あと2kmだと!
こんな藪をあと2kmも進むのかと思うと
うんざりしてしまったのだ。 はい、負けです。