国道49号線旧道・小出峠9 (西会津町) 2004.11下 [TOP] [寄り道] [廃道Web]
<宝川6>
奥にV字の谷が見える。
間違いない。切り通しだ!
あれが小出峠だ。
長い石垣の法面があるわけでもない。
質素な明治の「ヲイテ峠掘割」は、
完成当時のままの姿で現存していた。
ただそれだけのことで、十分興奮していた。
「変わってない」。これこそが重要なのだ。
切り通しの中から北を望む。竣功時の記録写真と、ほぼ同じアングルから撮影したつもりだ。
左右の斜面からの藪が視界を遮る。夏場は更に酷い状態になるであろう。
左の斜面下部が崩落し、路面を狭めている。
右斜面も素掘りのままのため、
草や灌木が伸び放題になっている。
狭い切り通しを通った直後だから
そう感じるのではなく、「広場」なのだ。
藪に埋もれる小出峠の図。
大型哺乳類の深い足跡を発見する。
カモシカかイノシシではないだろうか?
先程までここにいたようだ。
「広場」を通過する。
藪は濃いが、道形ははっきりしている。
ここから三方道は阿賀川まで下りてゆく訳だが、
そこまで行くつもりはない。
明治の小出峠を確認できたので、もう満足だ。
帰路につく。
撮影も最小限しかしないから、なおさら早い。
にも関わらず、記録上は往路の2倍弱の
時間が掛かっている。
自分がどこで何をしていたのか、全く記憶にない。