国道49号線旧道・小出峠9 (西会津町) 2004.11   [TOP] [寄り道] [廃道Web]

  <宝川

それは呆気なく、唐突に目の前に現れた。

奥にV字の谷が見える。

間違いない。切り通しだ!

あれが小出峠だ。

 

 

 

 

古い洞門があるわけでもなく、

長い石垣の法面があるわけでもない。

質素な明治の「ヲイテ峠掘割」は、

完成当時のままの姿で現存していた。

ただそれだけのことで、十分興奮していた。

「変わってない」。これこそが重要なのだ。

 

                     

 

 

 

 

 

 

 

  切り通しの中から北を望む。竣功時の記録写真と、ほぼ同じアングルから撮影したつもりだ。

  左右の斜面からの藪が視界を遮る。夏場は更に酷い状態になるであろう。

 

さらに進み振り返り見る。

左の斜面下部が崩落し、路面を狭めている。

右斜面も素掘りのままのため、

草や灌木が伸び放題になっている。

 

 

 

 

切り通しの先で、急に視界が開ける。

狭い切り通しを通った直後だから

そう感じるのではなく、「広場」なのだ。

 

 

 

 

 

切り通しの北端から振り返る。

藪に埋もれる小出峠の図。

 

 

 

 

 

 

切り通しを抜けた所で、

大型哺乳類の深い足跡を発見する。

カモシカかイノシシではないだろうか?

先程までここにいたようだ。

 

 

 

 

貯木場でもあったのだろうか?

「広場」を通過する。

 

 

 

 

 

 

広場を過ぎると下りになる。

藪は濃いが、道形ははっきりしている。

ここから三方道は阿賀川まで下りてゆく訳だが、

そこまで行くつもりはない。

明治の小出峠を確認できたので、もう満足だ。

帰路につく。

 

 

帰路は当然下りだから、楽だし早い。

撮影も最小限しかしないから、なおさら早い。

にも関わらず、記録上は往路の2倍弱の

時間が掛かっている。

自分がどこで何をしていたのか、全く記憶にない。

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