国道49号線旧道・小出峠8 (西会津町) 2004.11下 [TOP] [寄り道] [廃道Web]
<宝川5>
再訪のタイミングを計りつつも、先が読めない探索に尻込みしていた。
藪はどの程度なのか。その先に何があるのか、ないのか。
そんなある日、「万世大路工事用軌道、踏破」の報に接し、震えるほど触発された。
「おいらもやらねば!」 とにかく現場だ。現場に行こう。
雨の予報が出ている中、現地に向った。
ここから再スタートを切る。
入山の準備をしているうちに
無情の雨が強くなってきた。
見通しもよろしい。
これなら前回よりも楽に進めそうだ。
崩落現場に至る。
前回はここを直進したが、
今回は崩落面を直接登ることにした。
路肩が半分消えているのは前回と同じ。
ここまでで前回は撤退した。
同じく雨天であるが、今回は装備が違う。
防水の登山靴に透湿性の雨具だ。
物置だろうか、作業小屋だろうか。
すでに天井が落ち、柱も傾いている。
数メートルも積もる、雪の圧力で潰れたのであろう。
等高線に沿ってひたすら前進。
緩やかな上り坂を進む。
透湿性の雨具とはいえ、やはり蒸れはある。
不快感が募る。
普通の左カーブにしか見えない。
どんな解説を付けるつもりで撮影したのか、
その意図が思い出せない。
「やっぱり帰ろうかな・・・」
冷たい雨が探究心を挫こうと降り続く。
素掘りの法面が延々と続いている。
取りあえず次のカーブまでは行ってみよう、
と言う気になる。
「帰ろうかな。いや、次のカーブまで・・・」
こんな事を何度も繰り返す。
終点はどんな状況になっているのだろうか。
峠まで到達できるのだろうか。
不安が募る。
崩落した路肩の補強材だろうか。
路肩に角材が並べて埋められている。
明治の遺構ではないが、
古典的な修復工法なのが興味深い。
繰り返してきたが、ここに来て短いスパンの
S字カーブに出くわした。
己れの行く先が見えると言う事が
これ程の安心感を得られるものなのか。
自嘲気味に笑う。
あれ?林の切れ目が明るいぞ・・・。
空が抜けてる!
ついに到達したのか?