常磐炭鉱専用鉄道・内郷線1 いわき市内郷 2005.07 2006.09修正 [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

赤い太線が内郷線(3.34km)
 明治32年(1899) 開通(軌間1067mm)
  昭和47年(1972) 廃止

オレンジの細線が内郷電車線
 大正10年(1921) 開通(軌間762mm)
  昭和33年(1958) 惜しまれながら廃止

鉱山従業員とその家族の送迎(無料)や、
製作所への機材運搬のために敷設された。
丸印の箇所に停留所があった。

製作所前で高倉線と交差していたが、
当時の写真を見ると直角に平面交差していたようだ。

 

出典 小宅幸一著 「常磐地方の鉱山鉄道」


画面右下に写っているのが常磐線
このすぐ南側に内郷駅がある。
内郷線は検修庫付近から西に分岐していた。

車道化した軌道跡を西へ進み、宮川を渡った所に
高坂停車場がある。
内郷二中の南側を通り、小川を越えた後、
再び宮川を渡る。

 

 

 

[N地点] [2007.01追加]

駅を出るとすぐに新川を渡る。

ここに現在榎下橋が架かっている。

 

 

 

 

この榎下橋は当時から存在し、

内郷線の鉄橋が並んで架かっていた。

橋台のみが残っている

 

 

 

 

 

橋台は駅側にも残存。

ここから駅までの道床は宅地になってしまい残っていないが、

それらの家は現在も線路に沿った形で並んでいる。

 

 

 

 

 

[A地点]

宮川を渡る地点に橋台と橋脚が残っている。

複線分見えるが、左側(南)の橋脚が狭い。

こちらが狭軌であった電車線のもので、

右側が内郷線のものであろう。

 

 

[高坂停車場]

宮川を渡った後、裏道のような軌道跡を暫く進むと

広い敷地があり、北側に水中貯炭場が見えてくる。

複数の鉱山からのトロッコが集まり、側線が並んでいた場所だ。

現存する施設はゴミ捨て場や倉庫に転用されていた。

ここで内郷線と電車線は交差していた。

ここに金坂停留所があった。

 

[B地点]

内郷二中(元は鉱山従業員の為のグラウンドであった)の

南側西端で車道は北に曲がっているが、軌道は直進していた。

今はガードレールで塞がれている。

ここに電車線のグランド前停留所があった。

 

 

内郷二中の西を流れる小川には橋台が残っていた。

ここも複線分あるのだが、大小の位置が逆転している。

高坂停車場付近で交差したためである。

 

 

 

 

 

反対側の橋台。

現在は南側に小さな木橋が架かっており、

近所の人が利用している。

 

 

 

 


宮川を再び渡った南側に町田停車場がある。

更に西の峰根地区へ進むと内郷停車場があり、

ここが内郷線の終点になる。

(更に津川鉱山へのトロッコ軌道が、隧道を経て更に西まで続いていた)

 

 

[C地点] [2005.10追記]

小川を渡り、住宅地の中の細い砂利道となった道床を進むと、

軌道はまたまた宮川を渡る。

県道66号小名浜小野線からも橋台跡が見える。

 

 

 

西側橋台を見る。

複線の筈だが、ここは内郷線の橋台しか残っていない。

電車線の橋台は撤去されたのだろうか?

一方だけ撤去、というのも解せないが・・・。

 

 

 

 

 

 

西から東側橋台を見る。

奥に見える砂利道が軌道跡で、内郷駅方面である。

背後の鉱山方面の道床上には住宅が建っていた。

 

 

 

 

 

 

 

[町田停車場]

県道の南側法面が石垣になっているが、

これは鉄道時代の遺構である。

その先にホッパーが見える。

ここが町田停車場である。

 

 

現在は、このホッパーの奥に工場が建っている。

ここに電車線終点の町田停留所があり、

電車の車庫が北側にあった。

 

 

[2007.09]
しげさんからの情報によるとすでに撤去済み。
単なる法面になってしまった。

 

[内郷停車場]

車道化した軌道跡をさらに西の峰根に進むと、

道路南側に長いレンガの壁が現れる。

ここに内郷停車場のホッパー跡がある。

上部の木造部分は撤去され、レンガの基礎部分だけが

残されている。

 

明治期の遺構と思われるレンガの壁の高さは3mほどもある。

植物による侵食が進んでいるので、今後が心配である。

内郷線には他の専用線と違い、いい具合に遺構が点在してるので、

「廃線跡と遺構を巡るツアー」があっても面白いと思う。

 

 

 

 

 

 

終点の峰根には線路の両側にホッパーがあった。

道路北側にもコンクリート製のホッパー基部が見られる。

 

 

 

                        この項終了

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  この先の鉱山にレンガ製の坑門があるとのことで探してみたが、場所を特定できなかった。
  また津川鉱山の隧道も探したが、非常に藪が濃く、接近不能な状態であった。