浪江森林鉄道・古道川線1 (都路村) 2007.05 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
開通、廃止年、及び全長不明。
「全国森林鉄道」にも一切記載なし。 「トワ6」にレポあり。
昭和28年の地形図「浪江」に記載された唯一の支線である。
軌道跡は車道林道となったが、現在は木材の搬出よりも
生活道としての利用の方が多いようだ。
この林道が都路村の中心である古道(ふるみち)に
直通しているからであろう。
ここに新旧2本の橋が架かっている。
左が「振興橋」(しんこうはし)で昭和41年(1966)の竣功。
旧橋はそれまで使われていたことになる。
奥に見える道はかなりの急勾配だ。
中央は東北電力・古道川発電所(S51建設で、おそらく二代目)
幅員や規格から見て、いかにも林鉄の遺構っぽいが、
この橋に限り橋台も橋脚もコンクリート製なのが解せない。
なぜ古道川線の橋だけが高規格なのだろうか?
[2005.01]
とても原木を満載したトラックを通す設計とは思えない。
しかし人道橋としてはオーバースペックだ。
藪がじわじわと侵入しつつある。
しかし特に通行禁止の告知はされていない。
これなら重量物も通せそうだ。
それにしても、この橋の正体はなんだ?
そこには旧旧橋の橋台が、半分だけ残っていた。
これこそが本来の古道川線の遺構に間違いない。
つまり現存する旧橋は代替で設置されたものだ。
増水で流されたのか、それとも初代古道川発電所の
建築資材を運ぶのに耐えられないと判断されたのか。
おそらく後者ではなかろうか。
昭和28年の地形図にも「発電所」の記号が見られるのだ。
この橋は発電所建設の際に架け替えられ、
その費用も電力会社が負担したのではないだろうか。
対岸の橋台は全く消えている。
架橋工事中の輸送は全面停止していたようだ。
営林署の管区も変わるようで、
これまでの見慣れた「浪江営林署」から
「郡山営林署」になる。
異なる管区に跨る林鉄とは珍しい。
全線完全に車道化され、見るべき遺構はない。
「トワ6」では、このダムにより軌道跡が水没した、
としている。
確かに、ここから林道の勾配が急になっているのだが、
新旧の分岐、及び合流点は判らなかった。
特徴のない、単なる道の途中である。
この林道も着々と舗装化が進んでいるようだ。
[2008.08]追記
古道川発電所は昭和15年(1940)、不況対策のための国策会社・東北振興電力により建設された。
「振興橋」との名称は、これに由来するのかも知れない。