旧国道289号線の隧道跡1 (いわき市) 2005.02  [TOP]  [寄り道]  [廃道Web]

 

  国土地理院の前身である「地理調査所」が昭和27年に発行した1/50000「小川」を古書店で入手した。

  1952年だから、今から53年前である。

  各所に書き込みが見られ、タバコの火で焦げ穴まで開いている酷い状態の地図であるが、

  この付近の道の歴史を饒舌に語る、貴重な証人でもあったのでここに紹介する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  上図はR289の起点であるいわき市勿来付近の地図である。

  S27当時はまだ国道ではなく県道であった。その県道のルートを上図においてで示した。

  赤い部分はその後国道に昇格したが、紫の部分は指定から外され、作業道軌道のルートが国道になった。

  S27の地図を見ると、各ルート上には合わせて三本の隧道が存在した。

  当然、この隧道の現状が気になるところであるが、最新地図を見る限り、残念ながら全て切り通されてしまったようである。

  S27の地図では「間路」と表現された青点線の小道も後に国道となり、そこにあった小さな隧道

  どうやら同じく切り通されてしまったようだ。

しかし県道にあった隧道のうち、

東側のものは近年まで残っていたようで、

昭和50年(1975)の航空写真には映っている。

ピンクのラインが旧県道で、

点線部が隧道ではないかと思われる。

手持ちの1994年発行の地図にも

---) (--- の表記が見られる。

10年ほど前までは、あったのだ・・・。

 

  廃道と化したルートにある隧道は残ることが多いが、現道の隧道は消えてしまうことが、ままある。

  現役の道とは日々進化し続けるものなのだ、と再認識させられる。

  改修前よりも確実に便利になっているわけだから、これは仕方がない。

 

  机上調査はここまで。

  さて、隧道跡の現状確認し、往時を想像する旅に出てみよう。

 

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