いわき市立川前小学校 山下谷分校跡 (福島県) 2007.06訪問 2014.09作成 [TOP] [寄り道] [分校・廃校一覧]
きっかけは1994年版の「広域道路地図」である。 夏井川沿いの発電所群を見て歩く計画を練っている過程で、 川前発電所付近に分校があることに気が付いたのだ。 しかし、その位置が色々とおかしい。 集落からかなり離れている。 県道からも離れている。 分校に繋がる道がない。 なんだこれ? と言うわけで、発電所見物のついでに寄ってみることにした。 |
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渓谷に沿った、狭く見通しの悪い県道41号小野四倉線を東へと走る。
五枚沢を過ぎると、そこから暫くは人家がない。
ただし、途中にはメインの目的である堰堤と水道橋、そして川前発電所があるので、
それらを撮影した後、いよいよ分校を探す。
集落から遠く離れた山中で、あまりに場違いな「学校あり」の標識を見つけて驚く。
山下谷の集落は川の対岸にあるので、
分校の児童はこんな歩道も路側帯もない道を、毎日歩いていたことになる。
目的の分校はこの近くだろう、とゆっくりクルマを走らせたものの、
分校の入り口を見つけられず、もう一箇所「学校あり」があった所で引き返す。
分岐は、上りに向いた標識と、下りに向いた標識の間にあるはずだ。
分校へ入る道を中々見つけられなくてウロウロしてしまう。
導いてくれそうな案内の標識もない。
そうしているうちに小売店の正面に、こんな怪しい細道を見つけたわけだが、
怪し過ぎてクルマで進入する気にはとてもならないので、
ここからは徒歩にて探索することにする。
それなりの交通はあるらしいが、離合できそうもない。 いや、できない。
ガードレールもないので脱輪が怖い。
と言うか、クルマが来たら歩行者はどこに待避すれば良いのだ・・・。
こんな通学路は嫌だよなあ。
ここにも「学校あり」の標識があれば面白いけどさ。
ん? 道路上空を横切ってワイヤーが張られているような・・・・、
と思いつつ接近すると、しめ縄だった。
この道は参道なのか? 奥に神社でもあるのかな?
結界に入り、やや緊張しつつ更に上って行く。
「ひなん場所 川前小学校 山下谷分校」の標識があった。
やはりこの道で合っていたようだ。
しかし、この案内は県道に設置しないと意味がないように思えるが、
地元の方にはこれで十分なのだろう。
で、その避難場所に指定されている山下谷分校はどこに?
"ここが避難場所です"と示すための標識なのだろう。
廃校になったのは平成2年(1990)と意外と新しいのだが、痕跡は何もない。
古い廃校は廃墟化して残っていたりするが、
新しい廃校は再利用しない場合、跡形もなく撤去されてしまうからな。
あるいは避難場所に指定した当時は、まだ校舎が残っていたのかも知れない。
どうやら五味沢に抜けられるらしい。
そちら方面に住んでいる児童は、昼なお暗いこの道を歩いて通学していたのであろう。
こんな場所に学校を設置したのは、
山下谷と五枚沢の中間地点だからかも知れない。
「いわき市 川前町 昔の動画(磐越東線100周年記念作成)」よりキャプ |
分校が現役だった、昭和61年(1986)11月撮影の写真を見つけたので転載させて頂く。 | |
当時から舗装されていたようで、校門には木製の板に「いわき市立川前小学校山下谷分校」とあるのが見える。 | |
校舎はかなり小さく、一般の民家と比べても更に小さい。 | |
校舎南側に校庭があり、別写真には鉄棒で遊ぶ児童も写っている。 | |
2017.07追記 |