束松洞門3 (会津坂下町) 2004.06 [TOP] [寄り道] [廃隧道]
上部と右側斜面の崩落により、
坑口がほとんど埋没しているようだ。
しかしその崩落も最近は止まっているようで、
瓦礫は一面緑に覆われている。
手前に流れてきている為、
足元がぬかるんでいる。
慎重に接近し、瓦礫の山を上る。
柵で閉鎖されることもなく、
「立ち入り禁止」の立て札もない。
これが洞門内部の様子である。
白い砂が堆積しているようだ。
内部に沢水は浸入しておらず、
水没は免れている。
逆に結構乾燥しているような印象だ。
奥に支保工が見える。
坑口正面に回りこみ、ストロボ撮影。
天井に手が届きそうだが、触る気にはならない。
さて、せっかくここまで来たんだ。
下まで下りてみよう。
ここでアクシデント発生。瓦礫の山は意外と不安定で(常識ですか?)一歩踏み出すとガラガラと崩れだした。
慌てて戻ろうとしたら靴紐を踏んでしまい解けてしまった。さらに慌てて、這いつくばるように瓦礫の上に戻った。
ただでさえ緊張と不安で興奮状態なのに、このアクシデント(単にドジ)でかなり動転してしまった。
呼吸を整え、靴紐を硬く縛っていざ出陣!
当然だが暗い。
土くさい、カビくさい。
そして怖い。
チャージが遅く感じ、苛立つ。
突然コウモリが飛び出してきて、
心臓が口から飛び出す。
足元に朽ちた支保工が散乱している。
特に変化は見られなかった。
奥に進むに従って、徐々に天井が
低くなっていくように見えるのは、
おいらが臆病だからだろうか。
これでは馬は通れないであろう。
崩落で床面が高くなったのだろうか。
ていうか、これらの支保工は
いったい何を支えているのだ?
天井に接してしないのである。
粉っぽい、おそらくはカビの感触がした。
明治27年に完成した当時のものなのだろうか?
それにしては保存状態が良いなあ。
帰ろう、帰ろう。
ヨッキれんさん、これで勘弁しておくれ。
TUKAはヘタレで結構です。
ここは人が長居する空間ではない。
よく見ると砂が厚く堆積した上に
瓦礫が積もっているようだ。
どんな経緯があったのだろうか?
坑口前の切り通しを見下ろす。
大袈裟だが、緑、空気、風の音、鳥の声・・・
何もかもが嬉しい。
廃隧道の中というのは、つくづく異空間であるなぁ、
との思いを強くする。
この後も暫く緊張と興奮は解けなかった。
<追補> 2004.10の様子
定期的に整備されているようだ。
ぜひ軽沢側からも接近できるようにして欲しい。
人との比較。
崩落の為か、坑門付近だけが大きくなっているようで、
内部は非常に狭い。
こんな所にまで親を連れてくるオイラは
親孝行なのか、親不孝なのか・・・。