滝平発電所 (田村郡小野町)  2007.07/2013.02       [TOP]  [寄り道]  [廃電Web]  [発電所リスト]

 

  「東北の電気物語」によると飯豊水力電気株式会社は、大正9年(1920)12月27日に田村郡飯豊村の他、二ヶ村を供給区域とし、
  滝平水力発電所(出力43kw)にて発電し、電灯・電力の供給を目的として事業許可を受けた。
  資本金は15万円で社長は大方倫助(「三春町史」より)
  しかし発電所建築中の大正11年(1922)12月、磐城電気会社に吸収合併されて解散した。 とある。
  本にリストアップされているので、その後完成したのは間違いないだろう。

 

 

 

 

 

「小野新町」より引用・加工

 

  しかし滝平発電所は既に廃止されており、現存しない。
  だが、発電所跡に行く行かないを別として、地図上で場所くらいは特定しておきたい。
  「滝平発電所なのだから、きっと滝平という場所にあったのだろう」 「発電所は飯豊村(いいとよ)にあったに違いない」、と推定。
  昭和11年発行の古い5万図を広げて探してみると、神俣駅の西方6km、飯豊村役場の北西に発電所の記号を発見。
  「これに違いない」と昭文社の県別マップルにて当該場所を見ると、近くに「滝平」との地名がある。 確定ですな。
  なお、飯豊村は昭和30年に小野新町、夏井村と合併し、小野町となって現在に至っている。
   

5万図を拡大してみる。

川の右岸に発電所水圧鉄管(か?)の北側に地下水路。

その末端、やはり右岸に取水口が描かれている。

 

 

 

 

 

 

 

 

「小野新町」より引用・加工

 

 

現在の地図と見比べる。

右支夏井川に沿って県道65号小野郡山線が通る。

前述の通り発電所の記号はなく、「滝平」の地名のみが見える。

 

 

発電所跡がそれと分かる形で痕跡を残すことは稀なので、

たいがいの場合、ここまで作業したところで放置される。

跡地を探しにわざわざ現地に赴き、川沿いに遡上し、藪を漕ぎ、急斜面を登ったが成果なし、

なんて経験もしてるしな。

 

 

 

「Yahoo地図」より引用・加工

 

 


  今回は、別件で小野新町を訪れた際のついでとして行った探索で見つけた。
  すでに日が傾き始めており、しかも木陰という条件のため、肉眼では見えているものの写真では真っ黒であった。
  明度・彩度を弄ってなんとか見られるようになったもので、相当荒れた画質となっている。
   

県道路肩の広くなったところにクルマを止め、川を見下ろすと、対岸に石垣を発見。

護岸用にしては低いような・・・・。

石垣の上部が水路になっているようにも見える。

これが滝平発電所の導水路なのではないか、と推測する。

 

2007.07

 

上流側は樹木で視界が得られず、残念ながら取水口や取水堰は確認できなかった。

此岸は垂直の崖なので河床に降りることもできない。

仕方がないので下流に移動。 と言っても下流側も木が邪魔で所々しか見えない。

 

暗くてはっきりしないが、石垣の上部が樋状になっている。

やはり導水路で間違いないようだ。

 

 

さらに下流へ移動すると、導水路は崖面で途切れていた。

ここからは地下水路となっているものと思われる。

その入り口がコンクリートのアーチ橋になっている。

右支夏井川に注ぐ沢を跨いでいるのだろうか。

それとも余水の放出口だろうか。

 

 

 

  滝平発電所に関する遺構はこれだけであった。
  発電所建屋跡にも行ったが、すでに民家が立ち並んでおり、正確な位置を特定できなかった。
  背後の斜面に水圧鉄管の痕跡でもないものか、と遠望したが樹木の間にそれらしい痕跡はないように見えた。
  放水路跡も見つけられなかった。

 

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