奥羽本線・キャッチサイディング2 (福島市・庭坂駅)  2006.03 2009.11改訂  [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

 

 

赤い実線は道床現存区間。

点線は消失区間。

 

 

 

 

 


[C地点]

宅地化により消失した道床は、

再びここで姿を現す。

何の変哲もない裏路地にしか見えないが、

これがキャッチサイディングの廃線跡である。

左の店が骨董品屋さん、というのも意味深だ(笑

 

塀に挟まれた廃線跡に入り、振り返る。

車道の南側にも続いていたはずだが完全に宅地化してしまい、

人が進めるような「隙間」すらなかった。

 

 

 

 

 

 

            

運転免許センターの脇を通る。

境界標でもなかろうか、と思ったが無かった。

奥で左にカーブしているのが見える。

 

 

 

 

 

 

 

民家の間をコソコソと通り抜ける。

庭掃除や勝手口から出入りする住民に対しては

「こんにちは〜」とにこやかに挨拶せねばならない。

 

やがて視界が開け、遠くに奥羽山脈が見えてきた。

 

 

 

やがて広大な果樹園のただ中に出る。

JTB「鉄道考古学を歩く」のP29で

「板谷峠のキャッチサイディング跡」との

キャプションが付いている画像と同じ場所である。

私は板谷駅にキャッチサイディングがあるのか?

と勘違いしていたが、ここだった。

 

 

「フルーツ王国・福島」ならではの果樹園地帯を貫いて廃線跡は続く。

しかしその痕跡は県道が交差する地点で消えてしまう。

県道に面して建つ倉庫が、線路を遮っているのだ。

この県道は通称「フルーツライン」という。

 

 

 

[D地点]

倉庫側から振り返る。

これは築堤の末端の擁壁のように見える。

どうしてこのような構造物が必要だったのか良く分からない。

小さな水路でもあったのだろうか?

 

広い果樹園を大きく迂回する。

     
  ここは築堤と主要道が交差するため、村では橋かトンネルを設置するよう、当局に要請した。  
  しかし、そのような構造物が建設されることはなく、築堤を斜めに上る道と、踏切が設置されただけだった、とのこと。  
 

「福島の町と村II」より  [2014.07]追記

 

強制的に減速させるため徐々に高くなる築堤があったはずだが、

現在は撤去され平らに均されてしまっている。

が、適当に撮ったこの写真に生き残った築堤が偶然写っていた。

右奥の小山がそれである。

 

築堤は6mを越える箇所もあったらしい。

 

 

[E地点]

どうやら築堤はこの資材置き場の南端を通っていたようだ。

私が撮ったのは北端だった。

無念・・・。

 

 

 

相変わらず道床の痕跡など全くないが、

この倉庫が建っている所が廃線跡らしい。

庭坂駅方面を振り返る。

奥にみえるのは運転免許センターのビル。

 

 

 

 

その先で、民家と矢細工集会所(右)の間を通り、

車道を横断して、資材置き場の中を通る。

 

 

 

 

 

 

 

 

[F地点]

荒地と水田の境界辺りが道床と思われる。

奥の森の中を奥羽本線が板谷峠に向って横切り、上っている。

森の中がキーキー、ギャーギャー騒がしいと思ったら、

サルの群が食事中であった。

 

 

 

 

先程まで猿がウロウロしていたこの辺りがキャッチサイディングの終点である。

何もない・・・本当に何もなかった・・・。

いつもこんな終わり方だ。

(いや、左側に家が建っていたような高台があるにはあるのだが・・・)

 

 

 

     
  読者様より情報を頂きました。  
  ハンプがありました。  投稿者:kaz 投稿日:2009/12/08(Tue) 20:55:25 No.1090  
  TUKAさんこんばんは
「キャッチサイディング(庭坂駅)」の訂正版を拝見しました。確かに免許センターの北西方向にハの字型のハンプがありました。
ちょうどキャッチサイディングの終点付近ですね。
昭和60年頃で、当時私は奥羽線の測量をしておりまして、ハンプの頂上付近に四等三角点があり(現在亡失)、これを使って測量をしました。
当時はなんの築提だかわからず、自動車の練習場の跡ではないかと思っていました。
二万五千分の一の地形図だと矢細工と書かれたところに162mの単点があり、ここがちょうど頂上でした。
頂上付近は掘削されていて、橋が架かっていたかも知れませんが橋台はありませんでした。
免許センターの東側の道を辿っていくとそこにつながりますね。
ハンプの長さは200mはあったと思います。
 
 

[2014.07]追記

 

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