原町森林鉄道・新田川線15 (飯舘村)   2007.04        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


第六隧道を抜けると軌道は新田川のすぐ脇を通るようになる。

増水時の冠水が懸念されるような高さだ。

 

奥に見える人工的な緑色の斜面はなんだろうか?

ちょっと興醒めである。

 

 

 

ド素人の懸念は的中し、道床はいたる所で消失している。

川の流れに抉られたとしか思えない。

何ゆえこのような川岸に軌道を設置したのだろうか。

 

 

 

 

 

当時のまま残っている部分もある。

落石や倒木、落葉の除去など、当時の維持管理の

苦労が伺える光景だ。

 

 

 

 

 

路肩の石垣を振り返り見る。

ダムのよる水量調整の痕跡が見えるが、

そのダムは既に撤去されたようだ。

 

 

 

 

 

遠くから見えた「緑色の斜面」の正体がこれ。

当サイト読者で、先にここに到達したやまちゃん氏によると、

これは古い取水口を塞いだ跡とのこと。

前述の「ダムの撤去」はこれからの推測である。

下流に見られたコンクリート橋は、ダムや取水口工事のために

設置されたものかも知れない。

 

 

安定した道床を進むと、やがて平滑めの沢に突き当たる。

 

 

 

 

 

 

 

沢の対岸には切り石積みの橋台が見える。

橋台上は藪に覆われており、その先の道床は全く見えない。

これが廃林鉄本来の姿なわけだ。

ここまでの道床が管理されていたものであることが判る。

 

 

 

 

手前の橋台もきれいに残存。

 

 

 

 

 

 

 

この橋台に朽ちた木片が落ちている。

前述のやまちゃん氏が探索した際、地中に半分埋もれたのを

掘り出して発見したものだ。

 

 

 

 

 

 

 

この木片には「16|18」との金属板が固定されている。

これがいったい何を示すものなのか、全く判らない。

境界標? 距離標?

 

どなたか、ご教授頂ければありがたい。

 

 

 

軌道の橋桁は失われているが、

少し上流に橋が新設されている。

小規模ながら2径間の本格的な人道橋である。

先ほどの「緑の斜面」と言い、この新設橋と言い、

ここまで来て急に人間臭が濃くなるのは、

この付近にダムがあったからだろうか?

真新しいゴミも散見された。

 

対岸に渡る。

作業道は右の斜面を上って奥へ続いているが、

軌道跡へ行くには左の笹薮に入らなければならない。

突入す。

 

 

 

 

道床らしき線形は認められるものの、

笹が密生しており進行はあっさり諦めた。

 

 

 

 

 

 

作業道から見下ろしてみたが、

道床らしい線形は発見できなかった。

沢を渡った直後に終点、と言う理解しがたい状況ではあるが、

とりあえずここを原町森林鉄道・新田川線の終点とする。

 

 

 

 


<おまけ>

帰路に通った県道62号線で見られた

現代の伐採・荷下ろし作業の様子。

県道の路肩で行われ、立入禁止にもなっていなかった。

 

厳重に固定された移動式の巨大ウインチ。

付近にはワイヤーが張り巡らされている。

 

立木を利用したワイヤーの支柱。

作業用の手作りハシゴの仕上がりに感心する。

 

 

 

 

 

 

 

 

丸太を山から下ろす滑車。

人力、馬車、鉄道での運搬は廃れ、

現在は鉄索一本で事足りるようになったわけだ。

進歩とは言え、味気ないねえ。

 

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