磐城セメント専用鉄道２ （田村市滝根町） 2005.05 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
C地点
見つけてしまえば「な〜んだ」って話だが、
この場所を見つけるのには苦労した。
住宅からやや離れたところに水田を斜めに横断する軌道跡を見つけた。
草に覆われた農道と化した軌道跡を進む。
やがて車道と交差するが、ここには踏切りがあったと思われる。
交差点から先は車道になっている。
車道は一軒の民家に繋がっているが、
軌道はその車道の一段下を通っていたと思われる。
水田と車道に挟まれたやや広い畦道が軌道跡なのではないだろうか？
上記の畦道を進んだ所で振り返る。
畦道にしては広く、かと言って車が通れる程ではない。
この中途半端さが軌道跡と判断した所以である。
やがて前方に舗装道が見えてくる。
「あぶくま鍾乳洞」に至る道である。
かつては石灰石を積んだダンプだけが通る
砂利道であったが、昭和４４年(1969)に鍾乳洞が
発見されて以降、鉱業の町は一転観光都市になり、
道路が整備され、一時は路線バスも通っていた。
この部分はヘアピンを一つ経て奥へ進んでいたのだが、
現道の拡幅によりそのヘアピンは消えてしまったようだ。
梵天川を渡って林道に入る。
軌道跡は三ツ森林道と名を変えていた。
舗装化が計画されているようだが、すぐに狭い砂利道になる。
右に回りこむ。
林道はここから左へ進み、どんどん森の奥へと進んで行くが、
軌道はここを直進していた。
D地点
林道との分岐点は短い切り通しになっている。
急な左カーブを抜けて行く。
切り通しを抜けると、草に覆われた道床が現れる。
右に見える現道に平行して北上して行く。
畑より一段高い所を進む。
もはや作業道としても使われてはいないようだが、
ルートを見失うような事はない。
年に一度位は除草されているようだ。
奥の山に採掘場の白い切羽が見えてきた。
やがて作業道と出会う。
合流して先へ進む。
当時の軌道幅そのままだと思われるが、
レールや枕木などの遺構は見つからなかった。
やがて現道と交差する。
右上に見える狭い舗装道が軌道跡だと思われるが、
この道を辿ってもどんどん奥へと進むばかりで山へ向わない。
どうやら軌道跡は畑地化してしまったようだ。
一度見失ってしまうと、再発見は困難になる。
この建物の裏手あたりを通ってたはずだが、
痕跡は見つけられなかった。
上図の建物から少し先に軌道跡らしい段差があるが、
深い藪に覆われて追跡はできなかった。
よって現道から観察する。
現道の右側上方を平行して進む平面が軌道跡だと思われる。
その平地を追跡して行くと、なんと砂防ダムの本体に繋がっていた。
砂防ダムは下半分がコンクリートだが、上半分が石垣になっている。
なんだ、この中途半端な造りは？
この石垣、実は橋台なのではないだろうか？
廃された橋台の下部を利用して砂防ダムとしたのではないだろうか？
こんなの初めて見た。
左側の橋台に立ち、大滝根山方面を見る。
足元は築堤状になっており、奥へと続いているが、
すぐに現道に飲み込まれる。
そこから先、軌道跡は更に不鮮明になる。
この地点も軌道跡なのか、単なる旧道なのか判別できない。
古地図を見ると、軌道はほぼ現道と重なっているようである。
ここに至ってもあぶくま鍾乳洞はまだまだ上だ。
軌道が現役だった頃はもっと麓で採掘していたのかも知れない。
おそらくこの辺りではないだろうか。
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