玉ノ井林用軌道1 (本宮市)   2005.08        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

     
 
いや〜、まさか東北本線の駅に接続する森林鉄道があるとは思わなかった。
昭和32年、地理調査所発行の「二本松」をぼんやり眺めていたら、
本宮駅を起点として、北西に伸びる「特殊鉄道」のラインを発見した。
安達太良山の中腹までへろへろと約5km。
脇には「林用軌道」との表記がある。
ネットで調べても全く正体が分らず、正式名不明、開廃時期も動力も不明・・・。
例によって、いきなり現場へ赴く管理人であった。

[2009.01]地形図追加

[2016.03]地形図変更

地理調査所発行「二本松」より引用・加工

      

  訂正 [2008.08]
  「日本鉄道旅行地図帳 東北」(新潮社)の地図にこの路線が小さく描かれており、「玉ノ井林用軌道」とあったので、
  私が勝手に命名した「本宮林用軌道」から修正。 ついでに、現役当時の写真を数枚追加してみた。
   

本宮駅の西側にあった貯木場の様子。

場内にもレールが敷設されている。

 

 

 

 

 

 

山から下りてきたトロッコそのものだろうか。

それとも構内用だろうか。

 

 

 

 

 

 

ブレーキで減速しながら自重で下りてきたトロッコ群。

稲刈りが終わった水田、冠雪の安達太良山。

時期は初冬だろうか。

 

 

 

以上、全林野労組前橋地方本部・平成元年(1989)発行の「山にはたらく」より引用

[2009.02]写真差替

 


[本宮駅・貯木場〜千束橋]

 

 

 

 

 

 

 

東北本線・本宮駅の西側に来た。

駅の入り口は東側にあり、西側からはホームに入ることもできず、お約束の商店街もない。

いかにも「裏」といった風情である。

 

 

 

 

 

クルマの温度計は外気温44℃を示していた。

冷房の効いた車内から外に出ると、

全身の毛穴から一斉に汗が噴き出す。 うひ〜・・・。

付近をうろうろしていると、こんなものが走って来た。

なんだか判らないが、素人目には珍しい。

赤錆びたレール上をゆっくり移動していた。

 

              

「あづい・・・」

きちんと水分を補給しないとマジで死ぬ。

 

線路に隣接する広大な駐車場が貯木場の跡だろうか。

軌道はここから北西に伸びていたと思われる。

 

 

上写真左奥に見える民家の庭先を通っていたと思われる、軌道のルートを示す。

痕跡はないが、民家の敷地は北東の角が三角に切れていた。

 

 

 

 

 

 

その先は、細い車道として残ってる。

 

 

 

 

 

 

 

同じ場所を反対方向から見る。

 

 

 

 

 

[2016.03] 当時撮影した画像を追加

 

南向きに建てられた民家の前を斜めに延びる軌道跡。

現役当時、周囲は全て水田であった。

真っ直ぐに安達太良山を目指す。

 

 

 

 

 

この車道は当時からあった。

しょぼい踏切りがあったのかも知れない。

 

 

 

 

 

 

駅裏からここまでずっと直線である。

右手には当時のままの水田が広がる。

奥に国道4号が見えてきた。

 

 

 

 

 

[A地点]

広い国道バイパスが開通し、軌道跡は失われた。

反対側へ渡る。

 

 

 

 

 

 

国道の西側にも軌道跡は続いていた。

太陽の向きに関係なく、さらに北西へと伸びる。

 

 

 

 

 

 

その奥で、特養老人ホーム「ぼたん荘」により軌道跡は消える。

老人ホームの敷地内にも軌道跡は残ってないだろう。

 

 

 

 

 

 

その施設の北側にまわる。

画面中央の築堤は残念ながら軌道跡ではなく、

右に流れる安達太良川の堤防である。

 

 

 

 

 

少し進むと、軌道跡が再び現れる。

しかも地道のままだ。

 

 

 

 

 

 

水田の中を走る作業道が軌道跡である。

 

(追記) [2016.03]

左側は現在、本宮市営のグランドゴルフ場になっている。

 

 

 

 

上写真奥に見える民家の横を抜けた所で、

軌道は急に「右折」していた。

 

 

 

 

 

 

[B地点]

右折した先には安達太良川が流れ、

そこには橋が架かっていた。

 

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