浪江森林鉄道3 (葛尾村〜浪江町) 2005.01    [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

  <第五号隧道・西坑口>

舗装された車道と化した軌道跡を

高瀬川に沿って東へ進む。

林鉄跡らしい痕跡は全く見られない。

 

 

 

 

 

やがて、いかにも現代土木技術による

施行と思われる大規模な切り通しが見えてくる。

県道はこの切り通しを抜けているが、

軌道は別ルートを通っていた。

 

 

                     

視線を左の崖側に移す。

正面に浮いた存在の石垣が見える。

石垣の手前には、車一台分ほどの空間がある。

なんだろうか。

 

 

 

 

おお、穴だ! 穴が開いているぞ!

最初の印象はそんな感じだった。

自然の洞窟のように見えるが、

両側の擁壁が隧道であることの証である。

そう。石垣は坑口を守る擁壁だったのだ。

 

 

 

それにしても、坑口が小さい。

腰を伸ばしたままでは入れまい。

坑口の形もアーチ状からは程遠い。

既に崩落・閉塞してしまっているのかもしれないな。

接近する。

 

 

 

 

 

向こう側に明かりが見える。

この隧道は抜けているッ!

しかし坑口前に積もった土砂で、

半分ほどが埋もれているようだ。

 

 

 

 

当然ながら内部は真っ暗である。

暗闇に対する原始的な恐怖や落石の可能性よりも

どうしても見たい、という好奇心が上回ってしまい、

隧道内に進入するのであった。

 

 

 

 

坑口に積もった土砂に上り、坑内を覗き見る。

外見は荒っぽい造作の洞窟のようだが、

内部は、林鉄隧道特有の断面を示している。

積もった土砂を下りて坑内に入る。

 

 

 

 

洞床に降り立つ。

緑色の物体は、坑口を塞いでいたであろう

金網の無残な姿である。

どうやら管理人は、ここに入って欲しくないらしい。

左側では湧水が氷筍に成長しており、

その奥の壁面は崩落が認められる。

 

                

坑口に積もった土砂を下った所で振り返る。

これが「最期に見た光景」になりませんように・・・。

あまり意味のないことかも知れないが、

一応「帰路を確認しておく」という意味もある。

 

 

 

 

右壁面を見ると湧水が凍り、つららになっている。

この様子では今後も崩落が進行してゆくのは

間違いないようだ。

 

 

 

 

 

少し進むと状況は一変する。

非常に岩盤の状態が良くなり、

現役当時の状態で残っているようだ。

危険なのは坑口付近だけかな?

 

 

 

 

左の壁面が崩落している。

いや、崩落にしては様子がおかしい。

なにか「奥」があるような壊れ方だ。

 

 

 

 

 

 

 

なんと、それは横坑であった。

崩落した土砂の上にはゴミが散乱している。

不法投棄、と言うより

なんか生活臭が漂うんですけど・・・。

どなたかお住まいですか? 別な意味で近づけない。

 

 

 

横坑の奥は、きれいにコンクリートで固められている。

人為的に塞いだのだろうか? 更に奥へと続いていたのだろうか?

謎は謎のままにして、ここは立ち去る。

 

更に隧道の奥へと進む。

 

 

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