浪江森林鉄道・小丸線1 (浪江町)   2007.05        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

開通、廃止年、及び全長不明。「全国森林鉄道」に略図はあるが、巻末リストに記載なし。「トワ6」にも未記載。


合流点はもっと北側(画面右)だと想定していたのだが、

ここ以外にそれらしい道が見つからない。

合流点には家屋などが建って塞がれてしまった可能性も考えつつ、

まずはここから入ってみる。

 

 

 

すぐ先で右に曲がり、急な上り坂になる。

この勾配も軌道跡かどうかの判断に迷いが生じる原因だ。

 

 

 

 

 

 

坂を上ると広々とした台地に出た。

軌道は右奥の谷に入っていたはずだ。

農作業中の方に、この作業道が軌道跡かどうか聞いてみたが、

現県道にトロッコが走っていたことは知っていても、

支線のことまでは知らなかった。

 

 

 

水田地帯を抜けると山に入る。

またしても上り坂だ。

やはり私は間違ったルートを進んでいたのだろうか・・・。

やや落胆しつつ坂を上る。

 

 

 

 

すぐ先で分岐点を見つけた。

今は使われていない水路に沿って林の奥へ続いている道がある。

自作の路線図とも合致している。

これだ!

 

 

 

脇道に入った所で振り返る。

やっと森林鉄道の軌道跡らしくなってきた。

 

 

 

 

 

 

あらら・・・。

水路の管理道路か、単なる堰堤のようにも見えるな。

とりあえず今は進んでみるしかない。

 

 

 

 

 

水路は改修されてコンクリート製になっているが、

法面は石積みのままで、分厚い苔に覆われている。

この廃水路は浪江林鉄本線脇をずっと寄り添っていたのと

同一のものだが、水路と軌道、どちらが古いのだろうか。

 

 

 

 

進むにつれ、次第に藪が濃くなる。

路肩の丸太はただの倒木にしては不自然だ。

路肩補強の痕跡だろうか。

 

 

 

 

 

倒木の砲列を振り返る。

路面には藪がない不思議な光景だ。

くぐったり跨いだり、くぐったり跨いだり・・・。

 

 

 

 

 

おお! これは桟橋の跡ではないか!

やはりここは小丸線の跡だったのだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

いや、よく見ると全て丸太だ。

これではレールは敷けない。

枕木ではなかった。

 

右下を通る水路への土砂の流入を防ぐのが目的の施工かも知れない。

今ではその水路も藪に埋もれている。

 

 

 

 

全くテンションが上がらない状態でとぼとぼ歩く。

幅員も勾配も、いかにも林鉄っぽくはある。

 

 

 

 

 

 

ふと足元を見ると、こんなものを見つけた。

一瞬レールを固定する犬釘か、と喜んだが、

掘り出してみたら「かすがい」であった。

原木の木口に打ち込んでバラけないようにする釘だ。

30cmもある大きなものであった。

 

「鎹」と書く

 

かすがいの発見により、少し希望が見えてきた。

緩やかな上り勾配の藪道を進んで行く。

 

 

 

 

 

 

林の奥にコンクリート橋が見える!

これはとんでもない大物遺構の発見だぞ!

とのヨロコビも束の間。

接近してみたら水路橋であった。

先ほどまで併走していた水路の延長だった・・・。

 

 

 

しかし軌道もこの上流で同じく沢を渡っているはず。

そしてそこには大規模な木橋が架かっていたはず。

これは楽しみになってきたぞ。

 

桟橋の跡だろうか、それとも路肩補修の跡だろうか。

その奥には小さな切り通しが見える。

次第に鉄分が濃くなってきたぞ。

 

 

 

路肩崩落。道床消失。

次第に厳しくなってきたが、細々と踏み跡がある。

綱渡りのように進む。

藪漕ぎするよりはマシだ。

 

 

 

 

 

 

そこには石垣の法面があった。

軌道跡である事をついに確信す。

行くぞ、行くぞ。

 

 

 

 

 

なんだこれ!?

とてもこの「丸太橋」を渡ろうという気にはならないので迂回。

慎重に高巻く。

 

 

 

 

 

 

 

すぐに行き止まりになり、下方の視界が開けた。

と言う事は、この辺りに橋が架かっていたはずだが何もない。

橋台、橋脚の痕跡すらない。

河原には木橋の部材だか流木だか判らないものが

山のように積もっている。

 

 

 

余りにもあっけない展開に失望しつつ、

強引に藪を漕いで河原まで下りてみる。

いったいこの沢に何が起こったのだろうか。

 

 

 

 

 

軌道跡を見上げる。

「あんな所を通ってきたのかよ」と改めて怖くなった。

へつり道もいいところだ。

 

 

 

 

 

橋は消えてしまったが、対岸には軌道の続きがあるはず。

そう思って急斜面の藪を上ってみたが、この状態。

道床らしき平場はあるものの、潅木が密生しており

全く視界が利かない・・・・ここで撤収。

自然に戻りつつある鉄の道を後にした。 

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