原町森林鉄道・鉄山支線1 (浪江町〜原町市) 2004.12 [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

  阿武隈山系の森林資源を、浜通り北部にある原ノ町駅まで運んだ狭軌の鉄道である。
  最初に敷設されたのは明治41年(1908)と古く、昭和34年(1959)に廃止された。
  今回は長大な本線ではなく鉄山支線の、そのまた一部を紹介する。

  <追記> 2006.06
  新たに入手した資料によると「明治42年(1909)操業開始以来、平成5年(1993)までの長期にわたり継続していた」とある。
  前後の文脈からは「軌道の操業」のように読み取れるが、まあ、事業所のことであろうと思う。

  <概要>

起点は浪江町椚平。

国道114号線の「中椚平バス停」付近である。

ここから請戸川沿いに南下、

稜線を超えた後は小倉沢沿いに北上し、

その後なんと峠を越えていた。

 

 

 

峠を越えた軌道は、北海道沢の源流部に出る。

その後はずっと北海道沢の北岸に沿って進み、

林道に接続するが、この林道も実は鉄山支線の

軌道だったのである。車道化した軌道は

やがて県道49号原町浪江線に合流するが、

この県道も、実は軌道由来だったりする。

 


  <探索開始>                   

浪江町の国道114号線沿い、椚平付近。

貯木場だったらしい広場には、

現在倉庫兼作業場が建っている。

この小屋の裏手から軌道が始まっていた。

 

 

 

小屋のすぐ東側に植野沢林道の起点がある。

ここに入るとすぐにゲートがあり、

そこに植野沢に架かっていた橋の跡がある。

左に見える石垣がそれである。

 

 

 

 

沢を挟んで両側に、

完全な形で橋台が残っている。

沢まで下りてみる。

 

 

 

 

 

小屋のすぐ裏にあるのが、この橋台。

緑の苔に覆われ、はっきり見えない。

 

 

 

 

 

 

対照的に、対岸にある橋台は表面がきれいだ。

非常に丁寧な造りである。まさに職人技。

 

橋桁の残骸もレールも見つけられなかった。

 

 

 

 

植野沢林道を横断した軌道は、森の中に入る。

林道の2m程上に段差があるが、

これが軌道跡である。

 

 

 

 

 

 

 

すぐに軌道の痕跡は、国道の法面に

飲み込まれて消えてしまう。

拡幅工事の際に削られてしまったようだ。

 

 

 

 

 

コンクリートの法面が途切れると、

また軌道跡が姿を現す。

国道の5〜6m上にある段差が軌道跡である。

 

 

 

 

 

すぐ先に、軌道跡へ繋がる作業道があるので、

ここから軌道上に進入する。

 

 

 

 

 

 

軌道上に立ち、振り返る。

眼下に見えるのがK114。

正面が起点方向である。

 

 

 

 

 

進行方向を見る。

しっかりした軌道跡が付いている。

ここからが本当のスタートだ。

さて、行くか。

 

                  次へ進む→

     [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]