網の輪隧道2 (須賀川市)   2006.05        [TOP]  [寄り道]  [隧道Web]

 

 

 

 

 

 

 

 


滝の上部は広場になっており、江戸時代の歌碑や石碑が

点在している。

用水路としての歴史はかなり古いことが伺える。

最近になって木のベンチなどが設置されたようだ。

 

 

 

 

川の対岸を見ると、割石を積んだ擁壁になっている。

いつの時代のものか不明。

 

 

 

 

 

              

その先にコンクリートの堰がある。

堰き止められて左に流れて行くのが、

来る途中で見た用水の流れになる。

 

 

 

 

 

堰の傍らには小さな改築記念碑がある。

改築以前はどのような堰であったのだろうか。

 

 

 

 

 

 

川に沿って上流へ進む。

ここも歩きやすいように整備されている。

 

 

 

 

 

 

 

 

川の流れはあの洞窟から発していた。

あれが網の輪隧道だ。

どうやら素掘りの水路隧道らしい。

 

 

 

 

 

隧道探索の前に、周辺を見て回る。

川はこの土堤によって完全に堰き止められている。

下部は石垣で補強されている。

 

 

 

 

 

唯一の出口である水路も

かなり以前から使われている様子はない。

地元の方からお話を伺えた。

農業用水の為、川を堰き止めて水門を設置したが、

大雨の度に堰が決壊したり、水門が壊れたりしたので、

ついに堰堤を放棄。水門を撤去し、水路も埋めてしまい、

代わりに山に隧道を穿ち、水路を開削した、とのこと。

 

その工事は江戸時代に行われた!

と思ったら、なんと昭和。それも戦後であった。

ちょっとガッカリ・・・。

そりゃーそうだよな。

放棄された水路がコンクリート製だものな。

江戸時代の筈がない。

 

 

堰の近くには記念碑があった。

「網の輪溜池災害復旧工事」とある。

昭和21年川を堰止めて溜池とし隧洞完成す

昭和32年の大洪水により堤塘決潰し

災害復旧工事により完成す

 

素掘りの網の輪隧道は昭和21年の竣工であった。

 

 

 

さて、網の輪隧道を見てみよう。

坑口の右上部が抜け落ちたようで、

木の根がむき出しになっている。

怖いよ・・・。

早くも反対側が見えている。

 

 

 

更に接近。

岩の河床は平らで浅く、長靴で十分。

生活排水が混ざるのか、やや臭い。

清流とは言い難い。

 

 

 

 

 

 

ぎりぎりまで接近を試みる。

水路隧道にしては断面が大きい。

2mほどあろうか、十分人が通れそうだ。

入らないけどね・・・。

全長は20mくらいかな?

 

 

 

まさに素掘り。すばらしい。

濡れた岩がやや滑るし、水量もあるため

進入はしなかったが、

やはり反対側の坑口も見てみたいのが心情。

「峠越え」だ。

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