裏磐梯の発電所群3 (北塩原村)   2007.06        [TOP]  [寄り道]  [発電所]

 

<秋元発電所>

真新しい非常用洪水吐水門の脇にある細道に入る。

これは秋元発電所の取水口建設時に開削された工事用道路である。

「落石注意」の標識を横目に歩く。

 

湖岸では釣りをしたり、ソーセージを焼いたり、

思い思いに休日を楽しむ姿が見られた。

 

 

秋元湖に浮かぶボート。

その奥には小野川発電所の白い建屋が見える。

左上にあるのはサージタンクであろうか。

 

 

 

 

 

延々と単調な砂利道を歩く。

ソーセージが焼ける匂いっていいよね・・・。

釣った魚をその場で食うと激烈に旨いよね・・・。

ぶつぶつ・・・・。

素掘り隧道もなければ、橋すらなかった。

昭和となれば工事軌道ということもないだろう。

ひとり、地味な切り通しを撮影する。

 

北斜面に付けられた、暗く湿った管理道をネガティブな気分で歩く。

いい加減、うんざりしてきた頃、やっと前方に建物が見えてきた。

右への分岐があるが、まずは左側に入って下る。

 

 

 

 

これが初めて見る秋元発電所の取水口の姿である。

無人化されている割に、周囲には多数の建物が存在している。

 

 

 

 

 

 

よく見ると石垣が4段にも及んでいる。

取水門にしては全体の規模がやたらと大きいな。

 

 

 

 

 

 

取水口の前の様子。

工事の際、この左岸にはハシケが設けられ、

台船で運ばれてきた資材をクレーンで下ろしていたと言う。

 

 

 

 

 

先ほどの分岐に戻り、うっすらと藪化した道を進む。

4段だと思った石垣は、実は5段目もあった。

わざわざ車道まで設置された広場の奥には、妙に小さな建造物がポツンとあって、

なにやら独特なオーラを放っている。

 

 

 

 

「穴」だ。 こんな所に穴が開いている。

妖気はここから出ていたのだ。

 

 

 

 

 

 

檻の隙間から恐る恐る覗くと、そこには急な階段が見えた。

これは水圧鉄管の管理用地下道だろうか。

フラッシュを使用すると真っ白に曇った画像になった。

すごい湿気だ。

 

 

 

 

 

 

入り口にある注意書き。

この先には水槽と2箇所の釜場があるらしい。

上部水槽に通じるトンネルか。

 

 

 

 


車を南に走らせ、秋元発電所に向かう。

沼尻鉄道レポでお馴染みの光景である。

工事の際、沼尻鉄道から引込み線が設置されたことは、

そのレポでも触れた通りである。

 

 

 

 

ここは学習施設も兼ねているようで、

色々な説明版や発電機のカットモデルなどが展示されている。

柵の外からでもタービン、モーター、ブレーキなどの様子が見て取れる。

 

[2009.06]追記

猪苗代第一発電所を改修した際に取り外された発電機とのこと。

 

発電所に隣接して慰霊碑が設置されていた。

裏面には、

為秋元發電所殉職者

 昭和十六年九月建之

東京電燈株式會社

  株式会社飛島組

とあった。人数や国籍は不明。

 

放水路は地下を通っており、見ることはできない。

しかし水路上が車道になっており、

雰囲気を感じることはできる。

 

 

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