鳳城炭鉱専用軌道1(旧磐城採炭支線) (いわき市植田町) 2006.05 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
<支線1> [2006.09修正] [2007.01再修正]
ピンクで示したのが旧磐城採炭専用軌道の支線である。
なぜか旧県道や集落から遠く離れた水田(当時は桑畑)の中を軌道は通っていた。
昭和50年(1975)
現在の地形図から読み取れる軌道跡は、Aより東側の、ほんの少しの部分しか描かれていない。
よって、昭和の航空写真には見られるA〜E間の遺構は、圃場整備により消失した、と判断した。
これでは探索意欲も湧かず、一次調査では県道から遠望しただけでスルーしたのだった。
しかし実際には、A〜E間の遺構は全てこの写真のまま残っていたのだった。
実はD地点から東へ探索を開始したのだが、
東側から順に紹介する。
農作業のじゃまになりそうだったので、ここ以東の探索は遠慮した。
A地点から北側を望む。
軌道跡は作業道に転用され、残存していた。
路肩にコンクリートの土台があるが、何の遺構だろうか?
遠くに製材所の建物が見える。
水田の中にしっかりした築堤が伸びている。
遠くに常磐自動車道の大築堤が見える。
思えないが、残存する築堤は綺麗な鉄道曲線を描いている。
ため息の出る光景だ。
機関車の導入も考慮していたのかも知れない。
やがて自動車道の築堤に視界が遮られるが、
道路公団はトンネルを用意してくれていた。
左右に伸びる築堤は、鮫川の堤防で、
戦後、田畑や住居を守るために、
地元の住民が自力で築いたもの、とのこと。
頭が下がる。
堤防に接近する。
作業道は堤防上に上って行くが、軌道は堤防に沿って
中段を進んでいた。
非常に興味深い構造である。
左の上り坂は廃線後に設置されたものと思われる。
こういった想像もしない遺構との出会いが楽しくて
どんどんのめり込んで行くのだな。
今風に言うと「サプライズ」ってヤツだな。
すぐに藪になるので、堤防上に迂回する。
S字を描く築堤がよく残っている。
自動車道が視界を遮らなければ、
さらに素晴らしい光景が見られたに違いない。
この辺りでは道床は削られ、水田になったようで、
高い畦となったその断面が見られる。
軌道は上り勾配で、堤防と同じ高さに至り、
やがて当初とは反対側を通るようになる。
その先で、堤防から独立し「単線」になる。
軌道はここを直進していた。
三角形に残った築堤が見られる。
きれいに除草されているのがありがたい。
西側にまた姿を現す。
奥に見える山塊に鉱山がある。