白棚線・未成線 (白河市)   2006.05        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

     
  戦時中に休止され、レールを剥がされた白棚線であったが、終戦後に早速復活が計画された。  
  しかし、何らかの理由で白河駅への接続は見送られ、駅への昇格を前提として西郷信号場への接続が決まった。  
  用地の買収も終え、工事も開始されたが、結局線路跡はバス専用道へと転用されることが決まり、工事は中止された。  
  現在は車道となった未成線の跡を尋ねてみる。  
     
   

 

  昭和22年(1947)   3月25日、復活工事を起工。白河〜関山口までの7kmにレールを敷設
  昭和23年(1948)   3月末、工事中止
  昭和27年(1952)   工事再開。その後、中止
  昭和28年(1953)   4月に工事再開、と決定。一部新路線とすることで東北本線への接続が決まる
      11月、着工。沿線市町村により祝賀式典が行われる
  昭和29年(1954)   工事中止
  昭和32年(1957)   国鉄バス専用自動車道とすることが決定。 1月着工、4月開業
  昭和46年(1971)   貨物トラックの運行が廃止される (つまり、この年まで定期貨物便があったのだろうか?)
     

「白河市史3」2007.03発行より [2007.09]追記


休止中に線路の車道化が進んだ為だろうか。

白河駅への接続を断念した理由は不明だが、

A地点から分岐し、Bを経由してCに至るルートが

設定された。

 

 

 

 

[A地点]

水田に囲まれ、民家が点在する分岐点Aには現在

量販店が並び、大変賑やかな場所になった。

鉄道の跡にしては急勾配の坂を上り、丘陵地帯に入る。

 

 

 

[B地点]

平成10年(1998)に豪雨により氾濫した谷津田川を渡ると

右カーブが見えてくる。

画面奥で交差するのが、東北本線の旧線である。

 

 

 

            

交差点を過ぎると急に閑散とする。

相変わらず右カーブを描きながら進むと

前方に新幹線の高架と新白河駅が見えてきた。

 

かなり幅員があるが、まさか複線化も考えていた、

なんてことはあるまいな。

 

 

電柱を作る工場を右に見ながら進むと砂利道になる。

緩やかな鉄道曲線が続くが、「エ」という境界標は

発見できなかった。

 

左に見えるスロープはなんだろう?

 

 

 

新幹線の高架には、直接車が入れるらしい。

もちろん厳重に施錠されており、一般車両は入れない。

 

 

 

 

 

 

[C地点]

高架の手前で車道は左に曲がるが、

軌道跡は直進していた。

 

 

 

 

 

ガードレールの奥には三角形の未転用地が残る。

新幹線ができる前は車道であったと思われる。

 

 

 

 

 

 

高架をくぐった先で東北本線に合流する、

という予定であった。

現在、合流点にそれらしい痕跡は見られない。

奥に「西郷駅」だった時代に設置された跨線橋が見える。

 

                   この項終了

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