原町森林鉄道・新田川線9 (飯舘村) 2005.05 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
しかし見上げるような大きなものはなく、
小規模なものばかりだ。
実は路肩が石積みの擁壁になっているのだ。
不鮮明だが希少な遺構なので撮影しておく。
「警笛鳴らせ」とあるが、ここって車は通れないはず。
作業車両向けか? バイク向けか?
いやいやそれ以前に、ここに対向車が来るのか?
盛り上がりに欠けるレポになりそうなので、
声を出してごまかしておくか。
切り通しになったカーブを抜ける。
抜けると・・・・。
カーブの先に突然隧道が現れた。
これを目的に痛む足を引きずってきたのだ。
隧道の存在は資料で知ってはいたが、
現れ方が唐突であったので、大感激であった。
切り通すのではなく、穴を掘っってくれた。
すでに向こう側も見えている。
新田川第四隧道と勝手に命名する。
坑口周辺は金網とコンクリートで補強されているが、
拡幅などの改良はされず、
鉄道時代そのままの状態で残っているようだ。
内部は素掘りのままの状態で残されていた。
林鉄独特の縦に長い断面形だ。
いやー、狭い。
といっても前後であまり大きな変化がないねぇ。
現役の隧道であるからして、
壁面も洞床も非常にきれいだ。
それが逆に新鮮に見える。
こちら側も金網とコンクリートで補強されているが、
往時の雰囲気を壊さない、最低限の改良であるのが好ましい。
まあ、意識してそうした訳ではあるまいが。
そういえば、電線はどこを通っていたっけな?
山の上だったかな、横だったかな?
確認しなかった・・・。
大きな石がゴロゴロしている河原がすぐ下に見える。
橋台も含めて作り直されているのが残念。
注目は、その橋の奥である。
拡幅もされず、当時のままだと思われる。
両側の法面が垂直に近く、路面が真っ直ぐだ。
橋の奥にある坑口はブラインドで見えない。
人が切り開いた細道に暫し見惚れる。
地味ながら「産業遺構」として記憶しておきたい。
主な目的である隧道が取材できたので、ここで引き返すことにした。実はどこが起点なのか不明な路線なのである。
(考えてみたら「街道Web」内の林鉄レポは、その全てが中途半端で終了している・・・)