高玉鉱山専用軌道2 (郡山市)   2006.04        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 


  <本山坑>

荒れた坂道を登って行くと、やがて平坦な所に出る。

ここは分岐になっており、画像に写る左の道を進むと

鴬坑に至る。

この地点には大小のズリ山が点在している。

 

 

 

ズリ山に接近すると、一部であるが土留めがあった。

支柱には細い廃レールが使われていた。

板は腐食が進み、崩落寸前である。

 

 

 

 

              

本山坑に向かう道の北側に深く広い溝を見つけた。

降りてみると、両側に低い擁壁が見られる。

なんの施設だろうか?

 

 

 

 

 

奥へと進むと、木製の櫓が倒壊していた。

そして、ここが「溝」の終点であった。

 

 

 

 

 

 

 

 

櫓はどうやら大型ショベルの支柱だったらしい。

本山坑からここまで索道かベルトコンベアでズリを運び、

ここでトロッコに積み替えて、さきほどのズリ山まで

運んで捨てていたようだ。

この溝にはレールが敷かれていたのかも知れない。

 

 

 

このコンクリリート構造物の上に支柱が建っていたのか。

あるいはホッパーのようなものがあったのだろうか。

もっと接近して観察しておけば良かった、と後悔。

 

(2枚上の画像にも写ってます)

 

 

 

さて車に戻り、本山坑を目指そう。

この先は、このような石垣が多数見られるようになる。

それらは運鉱道の法面であったり、

建物の土台だったりしたようだ。

 

 

 

 

おおー、煙突が見えてきた。

やっと本山坑の中心部に達したようだ。

 

 

 

 

 

若い松の林を掻き分けて煙突を目指す。

周辺にはコンクリ塊やら錆びた機械やらが散らばり、

いかにも廃墟の様相を呈している。

上を向いた錆び釘もあったので

細心の注意が必要だ。

 

 

 

これは何の倉庫だったのだろうか?

天井まで石製である。

まるで、駅にある危険品庫のようだ。

ダイナマイトでも保管していたのだろうか。

 

 

 

 

煙突の基礎部分に接近するに従い藪が濃くなるが、

無理して接近を試みる。

あー、そういえば熊鈴、家に忘れてきた(汗

 

帰宅後、ニュースを見て冷や汗が出た。

この日の朝、同じ地区内で山菜取りの男性が熊に襲われ怪我をした、とのこと・・・。

 

 

 

 

なんとか根元に到達。

建物のような大きな施設は無く、耐火レンガで造られた

炉のようなものがあるだけだった。

 

 

 

 

 

そして、実はとっくに見えていたのだが、

これが本山坑最大の遺構である、精錬所跡である。

その規模に圧倒されるが、大きいが故に引いて撮ると

こんな画像になってしまう。

 

 

 

 

近寄って撮ると、半分位しか写らない。

建物は昭和46年(1971)に発生した火災により焼失したのだが、

どうやらそのまま放置されたようで今や木々に覆われよつつある。

坑口は最上部にいくつかあるらしいが、

ここを上って行くのは危険と判断し、やめておいた。

 

 

 

選鉱所の前にあるのは沈殿池跡であろうか。

どこから供給されるのか、今でも水を湛えている。

周りに柵はなく、深さも計り知れない。

これが「真水」であるとも限らないしな。

本山坑の探索はこれにて終了。

 

 


「鉱山の思いで」より引用。 (この本は現在も「高玉金山」で購入可能)

「青化精錬所遠景」とある。

石積みの倉庫や沈殿池の上屋らしき円形の建物が見える。

 

 

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