浪江森林鉄道・旧線 (浪江町) 2009.05 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
興味深くも不可思議な投稿があった。
「旧浪江林鉄沿線で高瀬川を横断する謎の橋梁跡を見つけた」
その橋梁跡は星印の箇所にあるという。
「未知の支線だろうか」
しかし付近に線路が入って行けそうな谷はない。
「送電線の真下にあるから、鉄塔建設の工事用軌道ではないか」
それにしてはなかなか高規格である。
橋脚が二基残っているが、橋台は両岸ともに失われているとのことで、
橋桁の種類を想像するのが難しい状態だ。
う〜ん、なんだろうか・・・。
そうこうしている内にやはり当サイト読者で、「浪江森林鉄道」管理人でもあるしげ氏より衝撃の追加情報が届く。
「畑川〜発電所〜見返り橋間は発電所建設のときに付け替えられた、との情報あり」
しかもその情報の発信主は元営林署職員のご子息で、また、その職員氏が「見返り橋」と名付けたと言う。
「旧線の橋梁跡」説は「もし、そうだったら一番面白いのに」ということで考えないでもなかったが、
まさか、その妄想が的中してしまうとは思わなかった。
やはり妄想レベルであることに変わりはない。
この付近のレポはこちら
浪江林鉄・本線は明治35年に畑川まで開通し、畑川から分岐する支線・三程線は大正2年の開通である。
高瀬川発電所は大正15年の完成だから、その時に本線が南岸に換線され、畑川橋梁が架設される代わりに
「謎の橋」が放棄されたのであろう。
三程線の分岐点は南に移動したため、結果的に全長が延びたことになる。
現在、三程線の起点付近にある橋台の遺構は、浪江林鉄本線が換線される前の「旧線遺構」でもあったのである。
橋は県道化工事の際に新設されたものと思われる。
換線前の旧線遺構である可能性も出てきた。
三程線分岐はもっと南にあった、とも考えられる。
ここは上下二段の複線のようになっていたのかも知れない。
奥に見える畑川橋梁を渡った右側に高瀬川発電所がある。
これを作ったのは郡山市に本社がある郡山電気で、
その前身は郡山絹糸紡績という製糸会社である。
安積疏水を利用した沼上発電所を自ら建設・運営していた。