浪江森林鉄道・中丸木線5(上部軌道1) (浪江町)  2007.05    [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

インクラインを上った先にはウインチを納めた動力室があった。

線路を挟んで3本ずつ支柱が立っていたようだが、

すでに朽ち果て、コンクリートの基部しか残っていない。

 

 

 

 

 

高床式の動力室の下をトロッコが通行し、

その上屋にディーゼルのウインチがあったのだろう。

現在は動力室の部材が僅かに散乱しているに過ぎない。

 

 

 

 

              

良く見ると、これは階段の残骸であった。

作業員はこの階段を上って行き、ウインチを操作していたのだな。

 

他の部材は倒壊して崖下にでも落ちてしまったのかも知れない。

 

 

 

 

さて、中丸木線の上部軌道を進もう。

ここからは手押しである。

 

低い切り通しだったようだが、土砂に埋もれつつある。

 

 

 

 

路肩には一本だけレールが落ちていた。

結局レールが見られるのはここだけであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

急勾配のインクラインをわざわざ上る物好きはいないらしく、

ここには踏み跡すら付いていない。

沢沿いに歩いた方が遥かに楽だからねえ。

 

 

 

 

 

それでも深い藪にならないのは、路面が固いからだろうか。

この辺りには作業小屋や側線などがあったのかも知れない。

振り返って撮影する。

 

 

 

 

 

 


<中の沢第七号橋>

すぐ先に木橋がある。

上部軌道に入ってからは初めての橋である。

接近してみよう。

 

 

 

 

おおおおお〜っ!!

これまでとは比べ物にならないほど巨大な木橋だ。

だいぶ破壊が進んでいるが、なんとかまだ「架かって」いる。

 

 

 

 

 

手前の橋台は地形を巧みに利用しており、

原町森林鉄道鉄山支線で見られたような大きさはない。

しかも石を積んだだけで隙間だらけである。

手押し軌道だとこんな施工で十分なのだろう。

 

 

 

 

対岸を望む。

大きすぎて画面に入りきれない。

 

 

 

 

 

 

橋の上流側は急傾斜のため、河原に下りるには危険だ。

下流側から下りた方が楽。

 

 

 

 

 

 

河原に下りて、中の沢の下流方面を見る。

渓流と言うより滝である。

さすがの浪江営林署も、ここに線路を設置するのは諦めて、

山添いのインクラインに転じたわけだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「中の沢大橋」の全景。合成方法を覚えてやってみた。

 

ずっと見ていても全然飽きない。

岩にでも腰を下ろしてひと休みすればいいのに、

興奮して意味もなくウロウロしてしまう。

 

珍しく自画撮りなんぞしてみる。

 

 

 

4本ある橋脚のうち、最も破損が進んだもの。

浮いちゃってます。

残念ながら倒壊の時期が近付きつつあるようだ。

 

 

 

 

 

右岸側の半分は、保存状態が良い。

しかし倒木の一撃があったら、ひと溜まりもなかろうなあ。

 

 

 

 

 

 

 

 

ひたすら重いトロッコを通し続け、今はその役目を終え、

土木遺産として顧みられることもなく、朽ちるのを待つだけの木橋。

 

 

 

 

 

 

 

 

大橋の下をくぐり抜け、上流側から軌道跡に復帰する。

 

 

 

 

 

 

 

中の沢大橋を振り返る。

トロッコを押して歩いた床板が残る。

 

 

 

 

 

 

上流側の橋台。

 

ふう〜十分堪能した。もう引き返しても良いのだが、

まあもう少し、飽きるまで奥へ進んでみるか(笑

 

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