日本硫黄沼尻鉄道3 (猪苗代町)   2006.09        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

ひたすら真っ直ぐな軌道跡。

黄色い矢印が停留場。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

国土情報ウェブマッピングシステムより転用)

赤い点線が軌道跡。緑の実線は旧県道。

 


千石川橋梁を渡るとすぐに分岐がある。

左の細い道が下館集落に至る旧県道で、

右が軌道跡を転用した現県道である。

ここからまた専用軌道が始まる。

 

 

 

<会津下館駅> あいづしもだて

しばらく進むと、交換設備や側線もあった広い構内を持つ

下館駅跡に着く。 大正12年(1923)に国鉄の駅との

重複を避けるため「会津下館」になった。

左の白い倉庫の位置が駅舎跡である。

(道路標識から「舘」ではなく「館」を採用する)

 

駅名標。

この付近から派生する県道227号線には、

下館停車場線という名前が付いている。

停車場とはこの下館駅のことであるが、

もちろん駅も線路も既にない。

県内で駅がない停車場線は、ここだけだそうである。

 

 

当時の写真を見ると、大きさも倉庫と同じ位だったようだ。

駅舎の煙突からは煙が出ている。

ダルマストーブの中で石炭が赤々と燃えているのかも知れない。

 

一番奥が本線。 手前には側線と引き込み線が写っているが、

使われることは稀であったという。

 

 

駅舎の右端にトイレが写っているが、

このトイレは現存している。

 

 

 

 

 

 

沼尻軽便の遺構は非常に少ないが、

これは奇跡的に生き残った。

「実用的」だから残したのかな(笑

側面の「WC」の文字も当時のままだ。

しかし説明板などはない。

 

 

 

「使用禁止」の看板は見当たらないが、

衝立も消え、ドアも失われており、実用には耐えない。

藍染めの便器が美しい。

初めてここを訪れた時は藪に覆われ、落ち葉に埋もれ、

小便器は倒れていたが、現在はこんなにきれいに

整備されている。

 


2009年3月の様子。

個室のドアが修理されている。

まさか、、、使うの・・・?

 

 

 

 


初めて訪れた時の写真を見つけたので追加しておこう。

1990年代後半だと思われる。

 

雑草に囲まれたトイレ。

 

 

 

荒れ放題の内部。

ドアも破れたまま放置されていた。

 

 

 

[2009.01]追記

 


駅舎の正面には「長瀬産業組合」の建物がある。

これも当時からあった。

JAあいづ長瀬支所として近年まで使われていたが、

引っ越したのか、現在は無人である。

バス停は「長瀬支所前」のままだった。

イベントの際はここから旧道に入り、廃線跡の県道ではなく、

旧県道を歩いているようだ。

 

「駅前」と言う立地を選んでここに建てられたと思われる。

この建設はかなり古そうで、大正か昭和初期であろう。

建設当時の気概が伝わって来そうな門構えだ。

エンブレムの中の文字は「共存同栄」でいいのかな?

 

残念ながら取り壊しが決まっているそうだ・・・。

(2009年3月、残存確認)

 

駅跡からさらに進むと、旧県道と交差する。

千石川を渡ってすぐに分かれた、あの道である。

ここには踏み切りがあった。

 

 

 

 

 

その旧県道がこれ。

舗装されているのが不思議なくらいの細道である。

奥に下館の集落が見える。

 

 

 

 

 

下館から先は水田の中、3km強の長い長い直線になる。

その間、ずっと左側には磐梯山が見えている。

 

 

 

 

 

 

築堤状の真っ直ぐな軌道跡であったが、

拡幅された県道に当時の面影はない。

志津付近にバス停があるが、ここに停留場はなかった。

「汽車に注意」の石の標識があったのは

奥の交差点辺りだろうか。

 

 

 

<荻窪停留場> おぎくぼ

上の画像とほとんど風景に変化がないが、

これでも500m以上進んでいる。

右に見えるのは荻窪バス停で、

当時の軽便の待合室は、この画像左奥にあった。

だが現在そこに駅名標は見当たらない。

 

上図奥に見える道を右折すると集会所がある。

なぜかその前に、荻窪の駅名標は設置されている。

まあ、いろいろと大人の事情があるのだろう。

(前年に訪問した際は見つけられなかった)

 

 

 

 

ここの待合室は、他の2倍ほどの大きさがあった。

冬の寒さへの対策なのか、

入り口を小さくしてある待合室は、この沿線では唯一である。

右端に「ふみきりちゅうい」の立て札が見える。

 

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