三春馬車鉄道3 (郡山市)   2006.08        [TOP]  [寄り道]  [廃線Web]

 

かっつるさん提供の資料により、全ルートが判明したので

各ポイントの現状を探るべく、訪問してみた。

赤線がそのルートなのだが、ほとんどの部分が県道、国道と

重複している(半透明)ので、

紹介するのはABCDの赤い実線部分のみに絞った。

 

なお会社設立当初はピンクで示したルートに決定していたが、

そのルートから外れた南小泉村の工作により、

赤のルートに変更された、という「裏の歴史」も判明した。

 


[A地点]

旧国道4号線から分かれる地点がここ。

久保田バス停がある所から東に入る。

国道288号線の前身である、明治期の三春街道の

入り口でもあった。

現在は信号も、行き先を示す標識もない交差点だが、

ここに併用軌道のレールが敷かれていたのだ。

              

旧三春街道に入ると、正面に新幹線の高架が現れる。

東北本線が近い。

 

 

 

 

 

 

交差点を一つ過ぎると、急に狭くなる。

明治になって新しく開削された道に、レールを敷いて馬車を

走らせたわけだが、緩やかなカーブがなんとなく鉄道曲線を思わせる。

奥の交差点にある青看の支柱だけが古い。

幹線だった頃の名残りだろうか。

しかし狭いな。 見通しも悪い。

ここが国道だった時期があるのだろうか?

 

この先に踏切りがあった筈だが、痕跡は見つけられなかった。

 

反対側から踏切り付近を望む。

東北本線と馬車鉄道は平面交差していたと言う。

ただ両線が接触しないように、馬車鉄道の方を

1.5inchだけ高くしていた、とのことだ。

 

 

 

 

踏切りの東側は道跡すら消えており、

宅地になっていた。

足元が軌道のあった旧道である。

 

 

 

 

旧道から踏切り方面を見る。

かつての幹線道路も旧道になり、

ほとんど車の通行がない。

 

 

 

 

 

[B地点]

旧道から三春方面を望む。

真っ直ぐ進んで、現国道に合流する。

 

 

 

 


阿武隈川渡河地点を東側の堤防上から見る。

ここは三春馬車鉄道1でレポート済みなので省略。

 

 

 

 

 

 

 

 

その反対側、三春方面を堤防上から見る。

馬車鉄道の橋脚跡を再利用した揚水施設の小屋の奥に

道が続いている。

南小泉集落内を通るあの道に軌道が通っていた。

 

 

 

 

 

しかし、この部分が鉄道専用だったのか、

併用だったのかは不明だ。

橋が自前だったのか、併用だったのが確定できないのだ。

 

この辺りに小泉交換所があり、離合待ちの馬が休んだり、

客のための茶屋があったというが、痕跡はない。

なお、客はどこででも乗れたし、降りることもできた。

 

上図の左側に石の道標があるので、古くからの道か、とも思われたが、

この道標は大正7年に設置されたものであった。

廃線後、3年経過している。

古道なのか廃線跡なのか、やはり特定不能だ。

 

 

 

 

 

 

少し進んだ所で、県道と合流する。

 

余談だが、左に見える、まるで城郭なみの石垣のある建物跡は、

いったいなんだろうか?

 

 

 

 

県道との合流点には小泉村道路元標がある。

これも大正期に設置されたものだ。

 

ただ、石垣の由来を想像する材料にはなる。

道路元標は各村の中心地に設置されたからだ。

庄屋か村役場か学校でもあったのかも知れない。

 

 

 

 

合流した県道からはすぐに離れ、

ここから北の道に入る。

 

 

 

 

 

古い町並みの中を進む。

ちょっと馬には辛そうな上り勾配になっている。

 

 

 

 

 

 

[C地点]

やがて磐越東線の跨道橋の下をくぐり、

すぐ先で現国道に合流、東進して三春へ向かう。

 

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