猪苗代森林鉄道 (デコ平〜ヤケノママ1) [2004.06][2005.09] [TOP] [寄り道] [廃線Web] [プロローグ]
赤が本線、ピンクが支線。
実線は車道、あるいは遊歩道。
点線は未転用。
この辺りに軌道が通っていたはずだが、現状はご覧の通りだ。
ここまで削られれば道床の痕跡など望むべくもない。
推定では、車の位置から足元に向けて軌道があった。
深く掘り下げられた道の向こう側は森になっているが、
そこには軌道跡が残されている。
画面中央、やや右の少し窪んだ所である。
切り通しの法面には、うっすらと踏み跡が付いている。
急な法面を上り、薄い藪を抜けると、そこはもう軌道跡だ。
釣り人でも入るのか、ゴミが散見される。
登山道とは異なり、明らかに土木工事の気配が感じられる。
どうやら丸石を積んだ法面だったようだが、
崩れてしまっており、それが道床を埋めている。
藪の中に朽ちかけた道標を見つける。
分岐点 約1050M
中津川渓谷 約2300M
とある。
軌道跡は遊歩道になっているようだ。
軌道跡が消えたのは、沢に出たからであった。
中ノ沢である。
橋を見下ろす足元は、実は林鉄の橋台であった。
沢には遊歩道の木橋が掛けられているが、
すでに「現役」とは言い難い状況だ。
沢の石を積んだのであろうか。
遊歩道にとってこの橋台は邪魔物のようで、
木橋はこの遺構を迂回するように架けられている。
これでも以前は木製の欄干もあったのだがな・・・。
丸石を2m程積み上げただけの素朴な橋台だが、
その耐久性には驚くばかりだ。
橋台の上に木が生えているのが見えるだろうか。
ゆうに直径30cmは越えている。
廃されてから、それだけの時間が経過しているのだ。
いつまでも見飽きない、堂々たる姿だ。
その重量感、高密度感に圧倒される。
全く破綻が見られない。
完成当時の姿を、そのまま現在に伝えている。
大正期の施工であるから、ほとんど手作業であろう。
先人の苦労を思いつつ進む。
「廃」遊歩道としてはマシなほうである。
林鉄との関わりは不明。
索道でもあったのだろうか。
遊歩道として整備されるまで、
軌道跡は完全に放置されていたと思われる。
突然天井が開ける。
人口的に伐採されたと思われる空間に出た。
ここが遊歩道と軌道の分岐かもしれない。
しかし、背丈もある笹薮で周囲が見渡せない。
今回はここで撤退する。