猪苗代森林鉄道07 (小野川湖北岸・前編1) 2004.06 [TOP] [寄り道] [廃線Web] [プロローグ]
赤が本線、ピンクが支線。
実線は車道、あるいは遊歩道。
点線は未転用。
喘ぎながら上る。
隧道はどこにあるんだー。
坂の下の様子がおかしい。
前方を溝が横切っている。
遊歩道は溝を避けて左折しているが、
その奥にも道があるようだ。ここか?
その奥は不自然に垂直な壁になっている。
その前には一段低く幅広い溝が・・・。
間違いない。ここが隧道の西坑口だ。
いや、正確には隧道跡だ。
なんと言う事だ。埋められてしまっている。
それもかなり以前に・・・一気にテンションが下がる。
今回の探索の最大の目玉だったのに・・・。
反対側はどうなっているのか。当然気になる。しかし急な斜面、深い藪、しかも小雨・・・。雨の中の藪漕ぎは辛すぎる。
そんな理由でこの時は「反対側」には行かず、次の探索に進んだ。
しかし、思いがけず多くの反響が掲示板に寄せられた。
「期待してます」「先が楽しみ」・・・・高まる期待に反して、薄い内容・・・・いかん、引っ込みがつかなくなってしまった。
「パスしました」なんて言えない・・・・と言う訳で、サイト更新を停止して再度隧道周辺の探索を実行することにした。
45度を越える急斜面を直登する。
藪が濃く視界は50cm程しかない。
手当たり次第に笹や枝を掴んで上ると
ほどなく稜線に出た。
突然、視界に入ってきたのがこれ。
ブナの根元に緩くワイヤ巻かれている。
この右側にも、もう一つあった。
ワイヤの目的は判らないが、軌道との関連は感じる。
隧道の東坑口はこの下に違いない。
ついに東坑口の真上に出た!
ここからでは坑口が見えない。
画像右側の急斜面を下る。
60度程の傾斜だが藪が薄い為、手掛かりになる
笹や木が少ない。 ズルズルと下りてゆく。
完全閉塞・・・・痕跡すらない。
西坑口の状態から察してはいたが、これは悲しい。
岩ではなく脆い土の隧道は、埋めるまでもなく
自然に埋没したのかもしれない。
単に、土が露出した斜面にしか見えないのが
非常に残念だが、現実を受け入れるしかない。
このすぐ先に分岐があり、本線は小冷水沢を渡り、
支線の小冷水沢線が直進していた。
沢には橋が架かっていたはずだから、
橋台が残っているかも知れない。
さらに藪漕ぎを強いられそうだが、
とてもそんな気力は残っていなかった。 退却だ。
[2005.09追記]
この少し先で軌道は沢を渡る本線と、沢に沿って北へ進む小冷水沢線に分岐していた。
ずっと上流で沢を渡るが、そこから先は車道化されている。軌道の遺構はなかったと記憶している。 小冷水沢線に進む→
とにかく下れば遊歩道に出るはず。
強引に強烈な藪をくぐり抜ける。視界20cm。
そして生還。 ああ、磐梯山がキレイだ(感涙)
ふう・・・・。
<生還後の状況>
体の各部を点検。腕のスリ傷多数。青アザ少々。左手首を軽く捻挫。
顔にはなぜか墨で書いたような黒い線。
服には毛虫4匹、クモ一匹、ゾウムシ一匹。髪には蜘蛛の巣やら樹皮やら諸々。
ポケットに入れた皮手袋(安物)紛失。
両手、両足は筋肉痛。
ああ、なんて楽しい廃道探索(泣