好間炭鉱専用鉄道2 (いわき市好間) 2005.07 2007.01/02 [TOP] [寄り道] [廃線Web]
好間川橋梁 52mm
1500mほど迂回したところから駅方面を望む。
奥に見える工場は、古河鉱業好間炭鉱上好間坑の
積み込み施設跡に建てられた古河プラント建設である。
右の築堤が国道バイパス。
線路跡の一部は水田になったが、そこから先は
道路として残っている。
専用鉄道は進んでいた。
神社の参道もお構いなしに横断してしまう。
下をくぐって反対側にまわる。
カーブした擁壁が道床の線形を示している。
当時はこの付近から左に分岐する短い引込み線があり、
そこで隅田川炭鉱専用軌道から積み替えていた。
上の画像の奥で軌道は水路を越えていたのだが、
橋の痕跡でも残っていないか、と探してみると、
水路の両側に盛り上がっている箇所を見つけた。
接近してみる。
かなり破壊が進んでいるが、レンガ積みの橋台を発見した。
ここには水路を跨ぐ、短い橋が架かっていたのであろう。
Web初公開の物件である。
本やサイトでもあまり紹介されることがない遺構だ。
嬉しくてしょうがないのだ。
すぐ先で築堤は途切れており、
平地となった線路跡には重機や砂利が置かれている。
好間川の東岸まで来た。
堤防上で車道と交差しており踏み切りがあったのだが、
今でもその痕跡を見ることができる。
対岸に見える建物は、古河鉱業の炭鉱に電気を供給するために
建設された火力発電所跡に建つ古河電子いわき工場である、
好間川橋梁である。
両側の橋台、二本の橋脚、全てレンガ積みだ。
角に施された石の補強材も機能美を強調しているようだ。
現在も枕木とレールが残っていることであろう。
桁サイドの補強材がJ型をした英国式だが、
この橋桁は輸入品だろうか、国産だろうか?
なんと好間川橋梁は現役の橋だった!
水道橋として再利用されていたのだ。
枕木は水道管設置工事のじゃまにならなかったのだろうか。
よく残ったものだ。
この橋梁も暫くは撤去されることはないようで安心した。
好間川橋梁の全体像が見られた。
深緑を背景に赤いガーダー橋が映える。
蒸気機関車が走る光景を想像してみたりする。
整然と並ぶ枕木、赤錆びたレール・・・。
渡りたい気持ちを必死で抑える。
[2005.07]
あんなに繁っていた藪がすっかり消え、
ますます渡りやすくなっているが、
ここはやはり自重するのであった。
細長い竹薮地帯がある。
これが線路跡なのだが、ご覧の通り進入不能の激藪だ。
線路内への侵入を防止する柵であろう。
こんなものに愛着を感じるようになると、ちとヤバい。
外壁に並ぶ多数の小さな穴に気が付いた。
あれは送電線を通す穴ではないか!? (参照→こちら)
つまりこの建物は好間炭鉱発電所の建物そのものだったのだ。
とっくに壊されたものと思い込んでいたが、考えてみれば
廃線後(S47)の建築物がこんなデザインのはずがない。
大正初期の物件だから貴重な産業遺構だぞ。(変電施設だろか)
実は3枚上の画像にも写っているのだが、
これは通称「はえたたき」と呼ばれる古い架線柱だ。
デジタルズームもフルに使って撮影する。
白い碍子も付いたままだ。
初めて見るはえたたきに興奮する。
こんなものに愛着・・・(以下略)
好間線は電化されてない筈だから、これは通信用だろうか?
手前部分だけは除草されているため道床が見えているが、
これといった痕跡はなかった。
この先は常磐道のICになっているので迂回して進む。
「よしま ふるさとの歴史写真集」より古写真を引用させて頂く。
中央に発電所、右下には専用鉄道と好間川橋梁が写っている。
「好間汽力発電所」は→こちら
この石垣は今でもあるのだろうか。